2009/12/31

新ハーバード流交渉術



色々ゴチャゴチャと書いてあるけれども、要するに交渉は対立じゃなくて協同作業だということみたいだ。第十章のペルーとエクアドルの国境紛争の例がわかりやすい。まず、相手方を理解し、そして価値観を理解していることを示す。敵意を振り払ったら、共通の土台を見つけて、最初のつながりを作る。相手のステータスによっては尊重したほうがよいこともあるので、そのような場合は先に行かせて後から入る。そして、自らの自律性を保つとともに、相手方の自律性を傷つけない。最後に交渉においては、自分の意見と相手の意見をぶつけていくのではなくて、みんなの意見(つまり自分の意見でも相手の意見でもない)を作っていかなければならない。以上の五つの点を抑えていけば、合意へと進めるのだろう。

で、交渉といえばWin-Winなのだが、これは交渉のひとつの結果であるにすぎなくなっている。国際取引演習の授業で交渉の七要素とか習ったけど、それをいまいち交渉で使えなかった。実験経済学の被験者で、Win-Winなペイオフ(それでいて自己利益が最大)を選択しても拒否された。というわけで、Win-Winの外にある要素が経済学には必要なんだろう。研究はされているらしいけど、その内容は知らん。

Matsuyama (1992)

Matsuyama, Kiminori, 1992. "Agricultural productivity, comparative advantage, and economic growth," Journal of Economic Theory, Elsevier, vol. 58(2), pages 317-334, December.

Lectured by Imrohoroglu...
-Higher agricultural productivity leads to faster industrial growth and thus to faster overall growth.
-Higher agricultural productivity enables the economy to allocate a larger fraction of its labor force to the knowledge-producing sector, which is manufacturing.
-The striking result in this case is that the implications of the closed and the open economies are very different.
-Higher agricultural productivity, in the presence of international trade, can lead to delayed industrialization or even to de-industrialization, rather than being the source of rapid industrialization as in the closed economy.
-specialization according to comparative advantage may have negative long-run consequences in the presence of sector-specific externalities.

Rosenzweig and Schultz (1983)

Rosenzweig, M.R. and T.P. Schultz.,(1983) “Estimating a Household Production Function: Heterogeneity, the Demand for Health Input, and Their Effects on Birth Weight”, Journal of Political Economy.91-5:723-746.

出生児の体重を被説明変数にして、早生まれとか喫煙とかを説明変数。モデル設定はよくわからん。効用関数と子供の健康の関数と財の需要関数があるみたいだ。まあ、これもGMMで解きますよってか。

Rosenzweig and Wolpin (1980)

Rosenzweig, Mark R & Wolpin, Kenneth I, 1980. "Life-Cycle Labor Supply and Fertility: Causal Inferences from Household Models," Journal of Political Economy, University of Chicago Press, vol. 88(2), pages 328-48, April.

Rosenzweig and Wolpinは共同論文をいくつか書いているらしい。アッー
子供の数が一人か二人、その母親が働くか働かないか。で、子供の数が増えることによって、労働意欲が増すかどうかというと、条件付き期待値が説明変数である子供の数に影響されてしまうので、単純には計算できないのだとか。というわけで、双子のデータを操作変数にしたが、正確には高齢女性やアフリカ系女性が双子を産みやすいとするファクターが存在している。

Hansen and Singleton (1982)

Hansen,L.P. and K.J.Singleton, "Generalized Instrumental Variables Estimation of Nonlinear Rational Expectation Models," Econometrica, vol.50, No.5, pp.1269-86, ERRATA, vol.52, pp.267-8.

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/ito/pdf00/GMM.pdf(日本語解説)
http://www.uh.edu/~bsorense/GMM1.pdf
ふむふむなるほど全然わからん。
動学的最適化問題からオイラー方程式を導いて、期待値と実現値の差を誤差項とする。誤差項の期待値がゼロということをモーメント条件式としてパラメータをGMM推定。・・・ということで、いいのかな?どうせ推定結果のパフォーマンス悪いんだろ。

2009/12/27

Jaimovich and Rebelo (2009)

the American Economic Review: Vol.99, No.4 Sep. 2009
Title:”Can News about the Future Drive the Business Cycle?”
Auther: Nir Jaimovich & Sergio Rebelo

http://www.aeaweb.org/annual_mtg_papers/2007/0106_1430_0904.pdf

概要は
http://www.shiromage.com/?cat=11
今回のこの論文は「将来に関するニュース」をショックにし、3つの特徴をモデルに導入すると「とってもいいモデルになりましたよ!」というのが売りなのです。この論文においては「数年後に技術進歩が大きく発展するニュース」をショックとし、1.資本活用の柔軟性(ニュースを受けて投資を変更することが、どれくらいの割合で可能か:柔軟性)、2.調整コスト(ニュースを受けて行なう様々な調整にどれだけ費用がかかるか)、3.労働供給に対する短期の富効果(短期において、所得や資産の増減が労働時間に与える影響)、の3点を重要な特徴として分析しています。結論から言えば、このセッティングは功を奏し、うまく”the Business Cycle”を再現できました。

http://unrepresentativeagent.blogspot.com/2009/11/news-shock.html
(1)投資が今から増えるように投資の調整コストを入れた。調整コストがあるといっぺんにたくさんの投資をするよりゆっくり長期にわたって投資をしたほうが安上がりになるので、ニュースがあれば今の時点から投資を増やすincentiveが生じる。(2)income effectが存在しないutility functionを使った(いわゆるGHHタイプと呼ばれるやつ)。これで、消費と余暇時間の増加を消すことができる。(3)資本のutilizationの程度を調整できるようにした(variable capital utilization)。これによって生産がニュースに強く反応するようになるとintroductionでは書いてあるけど、もっとちゃんと読まないとロジックはわからない。

2009/12/14

縦列駐車の完璧な公式

http://personal.rhul.ac.uk/uhah/058/perfect_parking.pdf

だが、ちょっと待って欲しい。
横車を押せば公式が変わるのではないか。

2009/12/08

ガンダムごっこに関する研究(その2)

nii.ac.jp

ガンダムごっこに関する研究(その2)―ガンダムごっこについての闘いの構造
Japan Society of Research on Early Childhood Care and Education

1983年の幼稚園児・・・。