2009/12/31

新ハーバード流交渉術



色々ゴチャゴチャと書いてあるけれども、要するに交渉は対立じゃなくて協同作業だということみたいだ。第十章のペルーとエクアドルの国境紛争の例がわかりやすい。まず、相手方を理解し、そして価値観を理解していることを示す。敵意を振り払ったら、共通の土台を見つけて、最初のつながりを作る。相手のステータスによっては尊重したほうがよいこともあるので、そのような場合は先に行かせて後から入る。そして、自らの自律性を保つとともに、相手方の自律性を傷つけない。最後に交渉においては、自分の意見と相手の意見をぶつけていくのではなくて、みんなの意見(つまり自分の意見でも相手の意見でもない)を作っていかなければならない。以上の五つの点を抑えていけば、合意へと進めるのだろう。

で、交渉といえばWin-Winなのだが、これは交渉のひとつの結果であるにすぎなくなっている。国際取引演習の授業で交渉の七要素とか習ったけど、それをいまいち交渉で使えなかった。実験経済学の被験者で、Win-Winなペイオフ(それでいて自己利益が最大)を選択しても拒否された。というわけで、Win-Winの外にある要素が経済学には必要なんだろう。研究はされているらしいけど、その内容は知らん。

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