2010/12/27

Bernard and Jensen (1998, JIE)

Bernard and Jensen (1998, JIE) "Exceptional Exporter Performance: Cause, Effect, or Both?"

輸出企業のほうが国内企業よりも高生産性である。それでは輸出が高生産性を導くのか、高生産性が輸出を導くのか。高生産性企業が輸出企業となる:輸出企業の成長率も成功水準もex-anteで高かった。企業が輸出することによるメリットはあまり明確ではない。しかしながら、とくに長期時系列(longer horizons)については、生産性成長および賃金成長が上回っているというわけではなかった。

Clerides, Lach and Tybout (1998, QJE)

Clerides, Lach and Tybout (1998, QJE) "Is Learning by Exporting Important?"

輸出によって企業の生産性が上がるのか。輸出企業は国内企業に正の外部性を与えるのか。企業レベルデータを用いることによって、輸出と生産性の因果関係を分析する。外国市場に進出した後の企業のコストプロセスの変化を見た。高生産性の企業は輸出する一方、輸出によるコスト改善は見られなかった。ゆえに輸出企業と生産性の正の相関関係は、高生産性企業が輸出するというセルフ・セレクションによって説明される。正の外部性についても分析した。

Bernard, Eaton, Jensen and Kortum (2003, AER)

"Plants and Productivity in International Trade," American Economic Review, American Economic Association, vol. 93(4), pages 1268-1290, September.

企業レベルに既存の貿易論を拡張。理由1:firms heterogeneityの存在のため。理由2:輸出企業と純粋国内企業の併存のため。理由3:不完全競争。この論文では米国企業の特徴として(1)生産性のばらつき(2)輸出企業の高生産性(3)輸出企業の企業数の少なさ(4)輸出企業の中でも輸出量が少ないこと(5)輸出企業の規模が比較的大きいことを見出した。略。

2010/12/26

Belderbos and Carree (2002, JJIE)

Belderbos, Rene & Carree, Martin, 2002. "The Location of Japanese Investments in China: Agglomeration Effects, Keiretsu, and Firm Heterogeneity," Journal of the Japanese and International Economies, Elsevier, vol. 16(2), pages 194-211, June.

中国に進出する日本企業(1990-1995年)がどの地域を選択するかというロジットモデル。その地域における産業集積、日本企業集積、系列企業集積などの特色を見る。指標は地域内企業数の自然対数。企業サイズと輸出性向を企業側の特色として見る。中小企業において日本からの距離や日本企業集積に地域選択が影響される一方、投資誘致の影響は弱かった。輸出指向企業は現地市場指向企業と比べて、系列企業集積や港の存在に影響されやすい一方、地域需要には影響されにくかった。

Head and Ries (2003, JJIE)

Head and Ries (2003, JJIE) "Heterogeneity and the FDI versus Export Decision of Japanese Manufacturing."

生産性の違いが国内企業・輸出企業・海外生産企業の区別を説明できるか。モデルから予想すれば、等コストの国で海外生産する企業は輸出企業よりも生産性が高い。そして低コストの国で生産するならば、この予想と逆になる。日本企業のデータによれば、海外生産も輸出もしている企業は国内からのみ輸出している企業よりも生産性が高い。海外投資している企業の中では、高生産性の企業ほど色々な所得水準の国に投資していた。

Head and Ries (2005, JJIE)

Head, Keith & Ries, John, 2005. "Judging Japan's FDI: The verdict from a dartboard model," Journal of the Japanese and International Economies, Elsevier, vol. 19(2), pages 215-232, June.

日本のFDIを企業統制の結果として見る。データから計算される実際値とモデル上の理論値を比べる。日本のoutward FDIはinward FDIよりも活発。しかし、outward FDIもinward FDIも理論的水準を下回っている。GDPとかlocationを考えるともっとFDIが活発なはず。このように日本のFDIパフォーマンスの水準を評価するに際して、理論的なベンチマークを採用したことが売りとなっている。

スクラム 駆け引きと勝負の謎を解く

一見なんでもないスクラムの中では駆け引きが行なわれる。

バインド
1番は相手3番とのバインドを深くとることで突っ張れる
2番は手首を返して両PRを引き寄せる
2番3番のバインドについては、バインドした手が上側の選手のほうが前に出られる。どこをバインドで持ちたいか
8人で固まる

エンゲージ
「エンゲージ」の「エ」かその直前→アーリープッシュ
「相手の眉間の右」を狙う
小さければ下から上に突き上げ、大きければ上から下に覆い被さる

姿勢
「ひざの開きの角度が120~130度のとき最大の力を発揮する」
「背中が水平になるように胸を出して姿勢を作る。そこで、ひざを地面に対してゆっくりとおろし、腰が低い姿勢になったところで一気に全員でプッシュする」
「ひざを柔らかく使って、首とひざで『U』の字を描けるようにする」
「巨漢フロントローに対しては、肩と耳をつけて、浅い位置で組む。そして相手の後頭部にくっと乗る」
「ひざの動きで首を取る。首を取るためには、ひざから絞る」
「スクラムを組んだらボールを見る」「首をかしげる」
「背骨がタッチラインと平行」
「スパイクのポイントが多く芝生にかかるほど安定する」「足首を柔らかくする」
「組んだあと、ひざを5センチ下げるだけで、力の伝わり方が全然違う」
「自分が深く入り、相手には浅くしかもぐらせない」「肩の関節と絞り方と胸板で相手を殺す」

フッキングコースの攻防
押し負け…ダイレクトフッキング(できるだけ短く)
推奨…左足
コース…1の下、2の下→46間、45間、4の下
1番…味方ボールイン時にフッカーが足をかくスペースを確保
2番…相手ボールのとき頭や足で相手フッカーの足を邪魔(藤田剛)
3番…相手ボールのとき相手1番を潰す

ペナライズの基準を理解、利用
自分は落ちていないように見せ、相手を落ちているように見せる。
コラプシングは主に守備側にペナルティが多いが、おおむね姿勢で判断される。
わざと落として相手ペナルティにさせることも。
アーリープッシュ
押しのアングルの調整。1番の内押しなど

エトセトラ
体重が重いほうがいい
ささやき戦術で主導権を握る

2010/12/06

Echenique, Golovin and Weirman (2010)

http://d.hatena.ne.jp/tazuma/20101203
"A Revealed Preferenced Approach to Computational Complexity in Economics," Echenique, Golovin and Weirman 2010.

一部の計算機科学者に言わせると経済学の市場の理論は使えないということらしい。なぜかというと、そもそも消費者の効用最大化問題さえNP困難ということ。コンピュータにも大変な計算が何で人間に出来るだろうかというわけだ。

しかし経済学者からすると、そのような見方はモデルを文字通りに解釈しすぎているように感じる。計算機科学者がNP困難というとき、それはもちろん最悪のケースを考えているわけだが、実際に消費者が解いている問題は結構簡単な問題かもしれないではないか。

2010/11/29

広い海へ出てみよう

東京海洋大客員助教授・さかなクン

 中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。突然のことで、わけはわかりませんでした。
 でも、さかなの世界と似ていました。たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。

 広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。

 中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。

 ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。

(朝日新聞2006年12月2日掲載)

2010/11/28

経済学の実証

経済学の実証について確実なのは以下の3つ。
(1)データ購入は概して金がかかる。
(2)秘匿扱いの生データは簡単に見られない。
(3)スポンサー付きプロジェクトでデータ集めに行ける可能性はある。
つまり、大学院で経済学を専攻するときには理論に逃げるか、実証の権威なる先生につくことが最善と思われる。そして折角入手したデータも欠損値だらけだったり、誤字脱字あったりして面倒である。
おそらく実社会で手っ取り早いのはデータマイニングであって、構造推定のチャンスはなかなかありえない。

2010/11/25

無限の猿定理

ランダムに文字列を作り続ければどんな文字列もいつかはできあがるという定理

2010/11/22

Lu, Lu and Tao (2010)

Lu, Lu and Tao (2010, JIE) "Exporting Behavior of Foreign Affiliates: Theory and Evidence"
(1)高生産性の内資企業は輸出する
(2)低生産性の外資企業は輸出する
(3)最高生産性の外資企業は輸出せず中国国内販売のみ
(4)中生産性の外資企業は輸出と中国国内販売双方
(5)最低生産性の外資企業は輸出のみ
ということを中国の年次データを使って実証した。手法はダミー変数。
最初の内資企業については既存の文脈通りであるが、その次の含意および残り3つの含意は新しい発見となっている。輸送コストの急速な低下によるグローバル化は直接投資の経済学的文脈を要請している。それをMelitzモデル、すなわち企業レベルによる分析に繋げ、圧倒的な観測数を持つ中国の企業データを使って分析したということが売りになっている。

Ramen Profitable

http://naofumi.castle104.com/?p=696
Ramen Profitable
ベンチャーは創業者のラーメン代さえ賄えればよいという立場。
アメリカのベンチャーってベンチャー文化を形成しているよなあ。
Entrepreneur の経済学的文脈ってないのかな。

2010/11/16

【調査】金銭報酬は「やる気」をくじく 脳科学実験で裏付け[10/11/16]

1 :やるっきゃ騎士φ ★ :2010/11/16(火) 08:07:05 ID:???
やりがいがある課題でも、金銭報酬によって自発的な「やる気」が低下してしまうことが、
玉川大学脳科学研究所の松元健二准教授やドイツ・ミュンヘン大の村山航研究員らによる
脳科学実験で裏付けられた。このようなモチベーションの変化は「アンダーマイニング効果」
と呼ばれ、行動実験では知られていたが、脳活動の変化をとらえたのは初めて。
米科学アカデミー紀要(電子版)に発表する。

大学生の男女28人を成績に応じた金銭報酬を提示したグループと、報酬を提示せずに
実験後に定額の報酬を払うグループに分け、ストップウオッチをできるだけ5秒近くで
止める課題をやってもらった。
実験中の脳活動の変化を機能的磁気共鳴画像診断装置(fMRI)で測定すると、
最初の実験では両グループとも課題に対する意欲や達成感に関係する前頭葉や大脳基底核が
働いていた。

しかし、報酬を支払わないことを告げた2度目は、報酬を約束されていたグループでは
脳活動の高まりが消えて「やる気」が低下したのに対し、
最初に報酬が提示されなかったグループは、1回目と同様の脳活動を示した。
機械的にストップウオッチを止めるだけの「やる気の起きない課題」では、このような
脳活動の変化は見られなかった。

また、休憩時間の行動を観察すると、報酬を提示したグループで課題に取り組んだのは
14人中5人だったが、報酬と無関係のグループは14人中12人が積極的に課題を
楽しむなど、自発的な「やる気」の差が顕著にあらわれた。

ソースは
http://sankei.jp.msn.com/science/science/101116/scn1011160500000-n1.htm

Toyabe, Sagawa, Ueda, Muneyuki and Sano (2010)

http://www.nature.com/nphys/journal/vaop/ncurrent/abs/nphys1821.html
Toyabe, Sagawa, Ueda, Muneyuki and Sano (2010) "Experimental demonstration of information-to-energy conversion and validation of the generalized Jarzynski equality," Science.
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/pressrelease_files/kouho_926d762ef5d729c7544d1276739468c5_1289788403.pdf
【背景】
車のエンジンは燃料を燃やして温度差を作り、これによりピストンを動かして動作する。しかし、温度差がなければピストンは動かず、エネルギーを取り出すことはできない。これは熱力学第2法則(エントロピー増大則)として知られ、科学における最も基本的な法則の1つである。しかし、1867 年、ジェームズ・クラーク・マックスウェルは、仮想的な悪魔を考えて、この法則に疑問を突き付けた。この悪魔は、分子の動きを観察し、それに応じてシステムを制御する。すると、温度差がないところからエネルギーを取り出せ、熱力学第二法則を破ることができるように見えてしまう。これは、科学史上の重大なパラドックスとして知られ、熱力学第2法則に根本的な疑問を突き付けた[1]。それから約 150 年が経ち、マックスウェルの悪魔はパラドックスではなく、悪魔が情報を処理するのに必要なエネルギーを含めれば、熱力学第二法則が破れないことが分かった。ただし、その理解の過程で、測定で得た情報に基づいて制御を行うこ情報をエネルギーに変換することに成功! “マックスウェルの悪魔”を実験により世界で初めて実現。新規ナノデバイスの実現に期待。 と(フィードバック制御)により情報をエネルギーに変換できるという重要な概念が生まれた。しかし、その科学的重要性にも関わらず、この情報-エネルギー変換は未だに実現できていない。

【実験概要】
実験の概念図を図1に示す。らせん階段の上で熱揺らぎによってランダムに運動(ブラウン運動)する粒子を考える。粒子は上にステップしたり下にステップしたりするが、勾配があるので、平均的には階段を下る(図 1a)。しかし、たとえば、粒子の位置を測定し、粒子が上にステップしたら粒子の後ろに壁を置く。再び、粒子が上にステップしたら粒子の後ろに壁を置く。これを繰り返すと、粒子に階段を登らせることができると期待できる。壁を置くのに理想的にはエネルギーが必要ないことが知られている。したがって、外からエネルギーを供給せずに、粒子に階段を登らせることができる。これは、フィードバック操作により情報をエネルギーに変換することで、粒子を駆動できたと解釈できる。 発表者らは、新規に開発した実験系を用い、このようならせん階段状ポテンシャルを回転ブラウン粒子に加えた。そして、リアルタイム制御システムを構築し、実際に粒子を勾配に逆らって登らせることに成功した。さらに、測定で得た情報量と粒子が得たエネルギーを精密に測定することにより、情報をエネルギーに変換できることを初めて示した。変換効率は約 30%であった。また、このような情報エネルギー変換が新規の理論によって支配されていることを示した。

【実験詳細】
マイクロメートル(1マイクロメートルは 1 ミリメートルの 1000 分の1)サイズのプラスチック粒子を粒子の1点でガラス上に付着させた(図 2a)。すると、粒子は固定した点の周りで自由に回転する回転ブラウン運動を示した。この粒子に、外から高周波の交流電圧を加えることで、らせん階段状のポテンシャルを実現した(図 2b)。さらに、粒子の角度を測定し、得られた情報に応じてポテンシャルをスイッチさせるリアルタイム制御系を構築した(図 2c)。

図 2:a、 実験系。 2個連なった粒子を 1 点でガラス上に付着。これに楕円状の回転電場を加えることで、らせん階段状のポテンシャルを実現した。b、 粒子に課されたらせん階段状ポテンシャル。c、 フィードバックサイクル。このサイクルを繰り返すと、粒子がポテンシャルを登っていくことが期待される。

その結果、粒子をポテンシャルの勾配に逆らって登らせることに成功した(図 3a)。さらに、測定で得た情報量、粒子が得たエネルギー、スイッチによって粒子にした仕事の全てを精密に見積もった。すると、粒子はスイッチによってされた仕事以上のエネルギーを獲得したことを発見した。これは、測定によって得た情報を粒子のエネルギーに変換できたことを示している(図3b)。


図 3:実験結果。情報をエネルギーに変換することに成功。

また、発表者ら(沙川と上田)によって新しく導かれた等式[2]が成り立つことを示した。これは、フィードバック操作とエネルギーを結びつける重要な式であり、情報をエネルギーに変換する「情報熱エンジン」が満たすべき根本的な原理である。

【期待できる波及効果】
マックスウェルの悪魔は熱力学の根本に関わる概念であり、これを実現できた学問的意義は高い。科学者以外にもよく知られた話題であり、多くの人が科学に興味を持つきっかけになると期待できる。また、情報を媒介して駆動する新規のナノデバイスを実現できる可能性があり、ナノサイエンスへの波及効果が期待できる。

【今後の課題】
本研究では、「マクロな悪魔」(コンピューターや測定装置など)が「ミクロな粒子」を制御して情報をエネルギーに変換することに成功した。今後の課題としては、情報を自ら処理するような「ミクロな悪魔」、すなわち、自律的に動くナノデバイスを作ることが挙げられる。これは、現在の微細加工技術を応用すれば、近い将来に実現できると期待している。また、制御方式を改善することで、本研究によって得られた
なるほど?

2010/11/15

Timeline of career theories and models

外資傾向な人たちがやたらplanned happenstanceを押し出すのでキャリア理論を鳥瞰。小生の興味対象のコーチング理論が最先端みたいに書いてあるけど、キャリアと繋がるのか?!

http://www2.careers.govt.nz/timeline_career_theories.html
Early 1900s

Theory:
Person-environment fit, trait factor

Names:
Parsons, Williamson, Holland
Vocational guidance is accomplished first by studying the individual, then by surveying occupations, and finally by matching the individual with the occupation.

Late 1950s

Theory:
Developmental

Names:
Ginzberg & Associates, Tiedman, Super, Gottfredson, Roe
Career development is a process that takes place over the life span. Career development activities should be designed to meet the needs of individuals at all stages of life.

1960s

Theory:
Client-centred

Name:
Rogers
Career development is focused on the nature of the relationship between the helper and client. It encompasses the core conditions of unconditional positive regards, genuineness, congruence and empathy.

Late 1970s

Theory:
Social learning

Name:
Krumboltz
The individual's unique learning experiences over their lifespan develop primary influences that lead to career choice.

1980s

Theory:
Post-modern

Name:
Kelly, Cochran, Jepsen
Truth is discovered subjectively through dialogue rather than through objective testing. This approach emphasises the individual’s experience and decision making through exploring personal constructs and the client’s narrative about their life.

1990s

Theory:
Neuro-linguistic programming

Names:
Richard Bandler, John Grinder
A way of coding thinking, language and behaviour based on the principle that changing the way one thinks can change behaviour.

1990s

Theory:
Happenstance

Name:
John Krumboltz
Chance events play a role in every career. The goal for clients is to generate beneficial chance events and have the ability to take advantage of them.

1990s

Theory:
Narrative therapy

Names:
Michael White and David Epston, Gregory Bateson
Clients are encouraged to separate themselves from their problems (ie, the problem becomes external). The client makes sense of their experiences by using stories.

1990s
(引用注:これはNZの公的機関のwebpage)
Theory:
Te whare tapa wha

Names:
Dr. Mason Durie
Maori health is a balance between four interacting dimensions: te taha wairua (the spiritual side); te taha hinengaro (thoughts and feelings); te taha tinana (the physical side) and te taha whanau (family).

2000s

Theory:
Coaching

A model of practice. All parts of the client’s life are taken into account through regular sessions.

2010/11/10

Ghana GDP jumps up

http://blogs.cgdev.org/globaldevelopment/2010/11/ghana-says-hey-guess-what-we%E2%80%99re-not-poor-anymore.php
計測方法を改めてガーナのGDPが63%上昇したんだとか。日本も計測方法いかんでGDPがかわるかも!とくにサービス業は計測が難しいらしいぞ?

デレク・シヴァーズ 「目標は人に言わずにおこう」

Derek Sivers: Keep your goals to yourself

2009年、心理学の実験で164人の被験者を、半分には目標を黙らせ、半分には目標を宣言させた。宣言したほうは途中で投げ出した上に「目標に近づいた」と思う傾向があり、そうでないほうは「まだまだ目標から遠い」と頑張る傾向があった。

この実験正しいの?

2010/11/09

江頭2:50名言集

[江頭2:50名言集]
・幸福は自己満足 不幸は被害妄想
・善光寺はオレが守る
・マスコミって適当だぜ
・あのね、目が前についてるのは前に進むためなんだよ
・俺が反省したら面白くないだろ?
・まずい事をやるタメに、俺は呼ばれたのさ
・ハイリスク・ノーリターン
・俺、この番組に要りますか?
・ただ笑わせたい。 だって気持ちいいですもん
・いける! きっといける! 俺ならいける! だから…もう一度やらせてくれ!
・死にたくなったら俺がお笑いやってるところを見てくれ。 死ぬのが馬鹿馬鹿しくなるから
・もっとダメなやつがいるって笑い飛ばせ
・人生は何度だってリセットできんだよ。 俺を見ろ。笑え。 笑って泣け
・諦めた瞬間に老いは始まってるから
・笑えてるやつには、笑えるという幸せを、幸福を知って欲しい
・人としての底辺?いいじゃねぇか。 どんなにどん底にいても、どんなにボロボロになっても生きれば。 生きること自体がお前の輝きだ
・人は生きる上で笑われる者になるか、笑う者になるか…選ばなきゃならないんだよ
・全てを失ったら何も失うものなんかない。 俺は常に底から這い上がって笑いを取ってるんだ
・町中で俺に中指立ててる奴がいたら、俺は「 I LOVE YOU 」って言ってやる
・99人があきれても、1人が笑うなら俺達の勝ちじゃねぇか
・全部オンエアー不可能にしてやる
・俺はずっと戦っていくからな! テレビ局がどれだけ俺を叩こうと 俺は全部乗り越えてやるからな! これだけはお前らに約束する!
・恥を捨てることだよ!
・俺にもし子供がいたとしてその子が風邪で寝込んだら 俺はめちゃイケ行かないぜ? だから結婚はしない
・人間いつ死ぬかわからないから その時の全てを出し切りたいんだ
・気持ち悪いって言われることには慣れたけど、たまに「死ね」って言われるんだ。 俺は言ってやりたいよ。 こんな人生死んだも同然だってね
・生まれた時から目の見えない人に空の青さを伝える時何て言えばいいんだ? こんな簡単なことさえ言葉にできない俺は芸人失格だよ
(NAVERまとめ)

2010/11/03

Ilzetzki, Mendoza, and Vegh (2010)

http://unrepresentativeagent.blogspot.com/2010/11/more-on-fiscal-multiplier.html
1. 途上国においては、Impact Multiplierはマイナスである(つまり、政府支出が増加したその四半期にはGDPは減少してしまう)。具体的にはImpact Multiplierは-0.21、Long-run Cumulative Multiplierは0.18である。先進国においては、Impact Multiplierは0.37、つまり正であるがとても小さく、Long-run Cumulative Multiplierは0.80である。

2. 変動相場制(Flexible exchange rate)を採用する国と、固定相場制(Fixed exchange rate)を採用する国で別々にFiscal Multiplierを推定した場合、変動相場制を採用する国のMultiplierは基本的にゼロである。固定相場制の国では、Impact Multiplierは小さい(0.09)もののLong-run Cumulative Multiplierは1を超える(1.5)。この結果は単純なマンデル・フレミングモデルと整合的である。

3. 経済の開放度(Openness to Trade)もMultiplierの大きさに影響を与える。開放度が高い国のMultiplierは短期的(Impact Multiplier = -0.28)にも長期的にも(-0.7)マイナスである一方、開放度が低い国のMultiplierは短期的にはゼロだが長期的には1を超える(1.29)。

4. 政府債務の多い(例えば政府債務の対GDP比60%を超える国と超えない国を比べている)国のMultiplierは短期的にはゼロ、長期的にはマイナス(-2.3)である。債務が大きい国ほど、政府支出が増加した場合に、将来の財政引き締めによる債務の削減が強く意識されるので、いわゆるRicardian Equivalenceが成り立つ状態に近くなる、というストーリーが考えられる。

5. これらの結果は政府支出の中でも消費(Government Consumption)に着目しているが、政府の投資(Government Investment)に関するMultiplierもGovernment Consumpitonに関するMultiplierと大まかに言って同じような特徴を示している。

2010/11/02

LPI-scale

http://www.simul.co.jp/training/course_english/lpi-scale.html
サイマルではレベルチェックとして、LPI (Language Proficiency Interview)方式と呼ばれる、口語による英語能力評価のインタビューテストを採用しています。アメリカ国務省所属の国際研修機関FSI(Foreign Service Institute)が開発した評価基準に基づくもので、国際的に広く利用されています。

評価基準は、0、0+、1、1+、2、2+、3、3+、4、4+、5の11段階に分けられ、プラスは次のレベルに近いことを示しています。目安としては、大部分の大学卒新入社員はレベル1、業務に必要な英語力は最低レベル2、できればレベル2+が望ましいと言えます。レベル3以上は自在の英語力を示しているので、これ以上のレベルを区別することは現実には必要ではありません。

日本人英語学習者に最も多いレベル1は、幅が広く、より細分化された評価が必要となります。

日本人の殆どはレベル1の中であるとサイマルは言っている。TOEICが800点、900点と言っているうちはまだまだこのレベルなのだ。

知識とは特定のモデルへのコミットメントである

帰納法をめぐる問題
http://plaza.rakuten.co.jp/oniyannma9/diary/200908120000/
近代においてヒュームは帰納法に対して重要な懐疑をもたらした。彼によると、帰納法による知識の一般化は「自然の斉一性の原理」(principle of the uniformity of Nature)を前提にしているという。つまり、過去を参照した未来に対する予測は、心理効果によってもたらされる根拠なき信念であって合理的な推測ではないという考えである。

合理的な意思決定とは何か
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51486464.html
意思決定理論の一部には、ヒュームの問題はベイズ理論によって解決され、帰納法のアルゴリズムは存在すると主張する人がいる。ベイズの定理とは、次のようなものだ:事象Aの起こる事前確率をp(A)、事象Aが起こるとき事象Bが起こる事後確率をp(B|A)のように書くと、
p(B|A)=p(B)・p(A|B)/p(A)
...しかし問題は、どうやって事前確率を知るかである。
...つまりベイズ理論は、モデルを選んだあとの意思決定を示しているにすぎない。

したがって著者は、意思決定とは認識論的な問題であり、知識とは特定のモデルへのコミットメントだと結論する。本質的な意思決定はモデルの選択だが、それについてはやはりヒュームの問題が避けられない。ベイズ理論の元祖であるサベッジは、この理論が事前確率を計算できる「小さな世界」の理論であることを断っている。母集団が無限にある「大きな世界」では、そこから何を母集団に選ぶかという段階で主観が入るため、帰納のアルゴリズムはやはり存在しないのである。

雀鬼



雀鬼シリーズは全5巻、真・雀鬼シリーズは現在19巻である。主演で、薬物中毒の清水健太郎の復帰が望まれる。裏の世間では麻雀で大きな意思決定をなされ、その大きな麻雀勝負の打ち手のプロを裏プロと言う。その裏プロ勝負で20年間無敗の伝説を作り、引退した桜井章一を主人公としている。新宿で活躍したので、「ジュクの雀鬼」と呼ばれる。どうみても「実話」だ。

天運・地運の話は何度も出てくる。天運は予め定められた運、地運は自分によって作り上げる運である。考えてみれば、配牌はランダム。山を積んだ時点ではランダム。しかし、そこからの捨て牌選択はランダムではなく、自分の意思であり努力である。では、天運を呼ぶにはどうするか。桜井章一は「素直」だと答える。天運を素直に向かい入れることが大事で、普段から素直に行動しなければならない。

イカサマとは違って、実社会でも役立つ。ハイゼンベルク、チャイティン、ゲーテルなどの貢献から、実社会には不確実性が必ず含まれる。え?風水?なにそれ。

http://nocall.blog50.fc2.com/blog-entry-108.html

2010/10/19

エスキモーに氷を売る

http://tomonitatakae.at.webry.info/201010/article_3.html

2019年のW杯では全48試合で平均4万人を集客しなければならない。
日本代表戦がここ数年1万人強で推移しているので、3万人以上を集めなければならないことになる。

スポールストラ氏はできるという。
氏の黄金律2つを使えば可能だと。
①顧客が買いたがる商品(試合)だけを売るように努めよ
②顧客が買いたがるより少しだけ多く売るように努めよ
を実行すれば・・・

そして、最も印象に残ったのはチケットを完売したかったら”セールススタッフを増やす”ことだという。

2010/07/12

Benjamin Zander on music and passion

It's one of the characteristics of a leader that he not doubt for one moment the capacity of the people he's leading to realize whatever he's dreaming.
リーダーは、指導を受けている人たちが自分のどんな夢でも実現する能力があると信じて疑わない。

※動画下の「View Subtitles」をクリックすると字幕が出せます

2010/07/06

決意を新たにする

大前研一さん著『時間とムダの科学』より:
人間が変わる方法は3つしかない。
1番目は時間配分を変える。
2番目は住む場所を変える。
3番目はつきあう人を変える。
この3つの要素でしか人間は変わらない。
最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。

現代のビジネスマンは英語・IT・会計・法学に強くないとダメというようにも大前さんは言っている。

2010/07/05

イノベーションへの解 収益ある成長に向けて


シュンペーターはイノベーションの例示として5つの新結合を挙げた。(経済発展の理論)
1)新しい財貨の生産
2)新しい生産方法の導入
3)新しい販売先の開拓
4)新しい仕入先の獲得
5)新しい組織の実現(独占の形成やその打破)
新興国の労働市場が開けてくると、生産部分を低賃金国に任せるオープン・モジュール方式が支配的になってきた。ひとつの製品をコアコンポーネントと汎用品で構成させ、利潤が薄い汎用品は他社に任せてしまう。ただし、コアコンポーネントでは高利潤を保ち、製品設計そのものは自社が握って、他社の追従を許さない。この流れは(2)(3)(4)(5)に相当するだろう。

(1)のイノベーションとしては、新製品の性質に関して、持続的イノベーションと破壊的イノベーションに分類できる。前者は単なる品質改善であり、生活習慣そのものを変更するものではない。一方で、破壊的イノベーションは生活習慣を変えてしまう新製品であり、それは「新市場型破壊」と「ローエンド型破壊」に大別できる。これは行動経済学的に説明できるのではないだろうか。

人々はそれぞれの満足度に「基準点」を持つ。もしボクが夕食に寿司が食べられるならば大いに喜ぶ。しかし、寿司屋が満員でアウトバックになった場合、素直に喜ぶべきなのに複雑な気持ちになる。つまり、既存の消費者は新製品を既存製品との比較で考えるが、無消費者は新製品を無消費との比較で考える。この「無消費への対抗」が新市場型破壊の鍵となっており、普段何気なく思っている「片付けるべき用事」を済ますために、新製品を「雇う」のである。「電車の待ち時間の暇を潰す」ためにニンテンドーDSを1万5千円で「雇う」ということである。そのために、市場調査というのは「得意としている製品ごと」や「職業や年齢層ごと」ではなく、「片付けるべき用事ごと」の軸でとらえるのが正しい。

ローエンド破壊は、高級メーカーと廉価メーカーを想定する。ひとつの製品カテゴリの中で、廉価メーカーは低品質製品を生産するが、高級メーカーは低品質製品に対抗するのではなく、高品質製品に利を見出す。そのため廉価メーカーは低品質製品で稼ぎ、その市場に定着する。ローエンドに定着した廉価メーカーは、低品質製品から高品質製品へと徐々に進出していく。高級メーカーが新製品を見出すことは難しく、高級メーカーにキャッチアップするだけの廉価メーカーの追い上げは容易である。市場を食われている分、高級メーカーの利潤率は低下しており、市場を食っている分だけ廉価メーカーは有利に働く。廉価メーカーは廉価品を基準点にしているから、高級品への上昇は容易い。高級メーカーは高級品を基準点にするので、それ以上の高級化が難しい。

結局は、「良いものを安く」ということが商売の秘訣のようである。「良いものなのに売れない」という態度や「高く売れるために良いものを作る」という態度ではいけないのだ。

2010/06/16

社会運動はどうやって起こすか

http://www.youtube.com/watch?v=qdwO1l5nKyg

リーダーをリーダーとなるのは、ファーストフォロワーの存在があってこそである。

2010/06/11

技術導入

494 :名刺は切らしておりまして :2010/06/11(金) 22:13:08 ID:EMckLm2D
昔のアメリカと日本の関係に似てるなぁ。
日本側の異論があることは知っているが、こういう話が思い浮かぶ。
アメリカの企業は、アメリカが技術開発をしたものが、
日本の高品質な大量生産技術によって、
市場が立ち上がった時に持っていかれることを怒っていた。
開発したのは我々なのに!とね。
日本は製品化と量産がうまいだけで、基礎技術は開発していないと言っていた。
それは、間違ってはいない見方ではあったが、
結局、開発しても利益が出ないアメリカ企業は日本に駆逐され、
開発することをやめてしまい、日本の黄金期がきた。
結果、アメリカはITというほかの産業に切り替えた(そこがアメリカのすごいところ)

今現在、日本がサムスンにやられているのは、一緒なんだよなぁ。
アメリカの先例を見ると、ほかの国がついてこれない新たな産業を生み出すのが
解決策となるんだろうが、果たして日本企業にそれができるのやら。
先例だけ見てると、今のまま韓国と勝負しても勝ち目ないよ。利益が出ないことでいずれ開発費が圧迫されるから。
(以前のアメリカ企業のようにね。)

サムスンが、仮にダメになっても、同じようなことをする中国企業や台湾企業、インド企業が
現れるだろうし、同じ土俵で勝負してたら、絶対負けると俺は思う。

498 :名刺は切らしておりまして :2010/06/11(金) 22:20:38 ID:Wkci7UTz
>>494
そのあたりの懸念は90年代頃からされていて
知識集約型産業に移行しないと台湾、韓国、そして中国にも
価格優位で勝てなくなるといういう話はあったはず。

でも、従来型の勝ちパターンしか理解できない団塊の連中は
これまでと同じやりかたで勝てると思っていたんだろう、というか今でも思っている。
(いまでも、円安の誘導をしきりにしているし)

台湾には完全に抜かれた感がある。

Samusung

1 :やるっきゃ騎士φ ★ :2010/06/11(金) 13:30:40 ID:???
ソースは
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100611-00000001-president-bus_all

■「意思決定力」は日本企業と桁違い
世界不況の痛手から、ようやく立ち直りつつある日本の電機メーカーだが、そのはるか先を走っている企業がある。韓国の巨大企業・サムスン電子である。サムスンの2009年12月期の売上高は、10兆9000億円、本業の儲けを示す営業利益は8736億円だ。一方、ソニー、パナソニック、日立製作所や東芝、シャープなど、電機大手9社の営業利益の合計は、6400億円(10年3月期見通し)。日本の電機大手が束になっても、サムスン1社の営業利益に届かないのである。

なぜ、サムスンはこれほどまでに強いのか。その際に必ず語られるのが、集中投資戦略だ。将来大きく成長すると判断した分野に、サムスンは、巨額の資金と人材という経営資源を惜しげもなく投入してきた。日本企業ならば、間違いなく投資を手控える不況期であっても、まったく躊躇しない。
「優れたマーケティング力によって、消費者が求めているものを探り出し、それを具現化する優秀なマネジャーがいる。そして、これを可能にする投資判断を迅速に行うトップマネジメントの存在がある。情報収集力と意思決定の早さは、日本企業とは桁違いです」(バークレイズ・キャピタル証券民生電機担当アナリスト・藤森裕司氏)
その結果、半導体、液晶パネルで世界シェアトップ、携帯電話はノキアに次ぐ第2位。関連会社のサムスンSDIが手掛けるリチウムイオン電池の世界シェアは、10年前は1%にも満たなかった。それが、今や15%と第2位まで飛躍した。

韓国との税制面の違いを指摘する声もある。「韓国の法人税率は、住民税を合わせても24.2%しかありません。一方の日本は40.69%で16%以上も高い。減価償却制度なども異なり、日本に比べると韓国企業は有利な面があります」(藤森氏)
輸出で稼ぐサムスンには、ウォン安もプラス材料といわれる。「電子部品など、韓国国内に製造拠点を置くデバイス事業にとっては、たしかにウォン安のメリットがあります。しかし、液晶テレビは80%が海外生産で、市場の85%は海外です。すべての事業において、ウォン安のメリットを享受できるというわけではありません」(藤森氏)

サムスンには、もう一つ、注目すべき点がある。それは広告宣伝費の高さだ。世界の主要な空港では、必ずといっていいほどサムスンの巨大で派手な広告を目にする。空港から市街地へ向かう高速道路沿い、繁華街、スタジアム、さらには鉄道やバスといった公共の乗り物まで、あらゆる場所で「SAMSUNG」の文字が躍っている。近年では、特にヨーロッパや中東で目立つが、アメリカ、アジア、南米諸国での圧倒的な広告量には驚かされる。
「サムスンの広告宣伝費は、売上高の3%といわれています。売上高は10兆円ですから、3000億円も
広告宣伝費に注ぎ込まれているわけです。パナソニックは、08年度で900億円です。業績好調時に
トヨタが使った広告宣伝費でも1000億円ですから、いかにサムスンがブランドの浸透に力を
入れているかがわかります」(大手広告代理店幹部)

ブランドを浸透させることで、トップシェアを奪い、多額の利益を得る。この利益を原資として、さらなる追加投資を行い、市場や生産規模を拡大する。サムスンは、トップ企業が最も効率的な生産を行い、最大の利益を稼ぐ「収穫逓増の法則」を教科書通りに実践している好例といえよう。

253 :名刺は切らしておりまして :2010/06/11(金) 16:23:11 ID:gygCWTs+
>>42
実はこのスレのソースも実に重要なことをさりげなく書いている。
>減価償却制度なども異なり、← ★★★
半導体みてーな装置産業で、1ラインにン百億円も設備投資すうような企業の場合
減価償却費が仮建設科目 ( BS ) として計上され資産扱いになるので、
そのン百億円分は丸々利益となり営業利益が巨額になる。

そして関連会社への知的財産提供益というこれまた日本会計にはない制度で
海外関連会社の利益を経常利益として吸い上げ、
最後の仕上げとして所得税還付金を特別益としてさらに重ねる。

なので面白いことに、キャッシュフロー計算書の営業キャッシュフローをみてみると
寒損はあれだけ巨大な最終利益を叩き出してるのに日立の半分しかないんだよなwwwwww
円高ウォン安を考慮しても、寒損の営業CFの少なさは異常。

さらに面白いことには、ここ5年間で寒損の台頭とともに、姦酷経済って
GDP11位から20位に凋落してんのなwwwwwww

粉飾で利益を爆ageしホルホルし日本に自慢したいために
国家経済を傾けさせるなんざ、日本からみたらてんで理解不能w

314 :名刺は切らしておりまして :2010/06/11(金) 17:41:51 ID:pcAa+GJY
>>298
あらゆる智恵を絞って、粉飾してる相手の真似をしてもねえw
日本企業はもっとまともな金と智恵の使い方を知ってるよ。
特許侵害の賠償金やら制裁金を巧妙に設備投資やら研究費にまぎれこましたり、
また、くずみたいな特許を数だけ揃えて、ペーパー上の見栄えをよくしても
実体が良くなるわけでもないからな。

日本の大メーカーの財務担当者は分かって放置してる。
同じ韓国のパネルを使ってるのに、ソニーとサムスンじゃえらい原価が違うらしいしw。

しかし、日本サムスンのエリート様の仕事って2chのbiz版でプロパガンダを
流すことなのかい?w


327 :名刺は切らしておりまして :2010/06/11(金) 18:00:08 ID:pcAa+GJY(4)
>>321
ダンピングで中長期的には消費者は得しません。
だから独占禁止法で禁止されております。

ダンピングというのはある会社が市場の独占を目指そうとするときに
起きる物で、むしろ寡占状態の方が起こりやすい。

337 :名刺は切らしておりまして :2010/06/11(金) 18:10:52 ID:pcAa+GJY
>>329
つうかお前、独占と寡占の違いは分かってる?
サムスンは本当の意味でオンリーワン技術でシェアをぶっちぎってる分野
は実はないんだけどな。すべて過当競争の分野でしのぎを削ってるのに
高い利益率を出せるのが不思議だが。
一時期のインテルやマイクロソフト、任天堂並みに。

411 :名刺は切らしておりまして :sage :2010/06/11(金) 19:38:25 ID:Qky1clRK
韓国の中のサムスン
残念ながら韓国の社会は格差が大きい。ソウルが東京並みの近代都市になり,街では高級車もたくさん見かけるのに,
1人当たりの名目GDP(国内総生産)が日本の約半分しかない。これは,ピラミッド構造の底辺が広く,低所得者層が
非常に多いからである。このような格差社会において,韓国のGDPの2割,総資産の3割を占めるという
サムスンに入社することは非常に大きな意味を持ち,サムスンに入社すれば一族の誉れとして親戚中から喜ばれる。
しかし,サムスンの入社試験は一生で一度しか受験できず,合格者は両手で数えられるくらいの大学でほぼ独占されている。
このサムスンの採用システムが韓国の超学歴社会の原因の一つになっている。言い換えれば,韓国人の最も一般的な
サクセス・ストーリーは「ソウル大学などの有名大学を卒業しサムスンに入社すること」なのである。

サムスンの入社枠には国内採用枠と別に海外留学生枠があり,海外枠の方が競争率は低い。
このため米国や日本の大学に進学する学生が多く,父親のみ韓国で働き家族は米国で生活するという
逆単身赴任者も多い。実際,日本の某大学教授が留学を希望する韓国人学生に「どうしてうちの大学を選んだのか」と
聞いたところ,その学生は真面目な顔をして「日本の大学を出てサムスンに入りたいからです」と答えたそうである。
韓国の一般的な家庭で収入に占める教育費の割合は約50%とも言われており,中学生になると
毎日夜11時ごろまで学院(塾や予備校)に通い,部活をする子供はほとんどいない。ソウル大学に合格させた
実績のある家庭教師は超高給取りで,月に300万円稼ぐ人もいるという。

サムスンの入社試験で最も合格率が高いのはソウル大学であり,ソウル大学出身の役員は多い。
ソウルのマンションの価格はその学区の高校のソウル大学合格率で決まる。このため学区を越えた途端,
マンションの価格は半額以下となる。この結果,金持ちの子供しかソウル大学に入れないと社会問題になっている。

412 :名刺は切らしておりまして :sage :2010/06/11(金) 19:38:33 ID:Qky1clRK

いずれにしても,非常に厳しい競争を勝ち抜かなければサムスンには入社できない。
筆者がサムスンに入って感心したことの一つは,新入社員の水準の高さである。日本だったら上位10%くらいの水準が
サムスンの社員の平均値ではなかろうか。ちなみに,サムスンの入社試験を受けるためにはTOEIC 730点以上が必須である。
サムスンで課長に昇格するためには外国語を2カ国語以上話せなければならない。サムスンが社員に推奨する語学水準の
目標値は TOEIC 870点以上,第二外国語は例えば日本語検定2級以上(1級だと通訳が可能で,3級を持っている人は
ため口で冗談が通じる水準)と非常に高い。そのため,昼休みに語学の勉強をしている社員も多い。

国際学会で発表する場合も,Q&Aで流暢な英語で堂々と議論している姿はすばらしいと思う。逆に,日本の発表者が
Q&Aで話についていけずまごついている姿は,同じ日本人として非常に恥ずかしい。ちなみに,国際ランキングで
日本人の英語力は韓国や中国に大幅に劣っており,アジア最低準位を独走しているそうである。

サムスンでは社内にも様々な学習プログラムが準備されており,業務上必要と認められれば参加できる。
例えば,部下を10週間の日本語特別研修に参加させたところ,それまでは英語で議論していたのに戻ってからは
日本語で議論できるようになっていて驚いた。研修センターに缶詰状態で朝から晩まで日本語以外使用禁止で,
週末も宿題が山ほど出されて,毎週月曜日の朝にテストがあるので,休む暇も無かったそうである。ただし,
研修期間中は業務が100%免除されるので,語学勉強に専念できたという。

2010/06/03

Foxconn

http://www.gizmodo.jp/2010/06/another-foxconn-employee-dies-after-working-34.html

最新のIT製品を安くで遅れずに入手できる! それはガジェットを愛する世界のすべての人々の共通の願いだとは思いますが、でも、その影にこういう殺人的な中国での工場勤務を強いられる人々の血と涙の努力があるのかと思うと、なんだかとってもやりきれない複雑な気持ちですね...

フォックスコンやばいな・・・。自殺率は日本の方がやばいけど・・・。

日本で新産業が育たない

69 :名刺は切らしておりまして:2010/06/02(水) 21:08:27 ID:MRuCqbUW
ウォールストリートジャーナルはバカ。
日本でITソフト関係が発達しないのは消費者のせいじゃなくて、
日本の社会が革命的ソフトの開発によって社会がガラッと変わるのに激しく抵抗するから。

日本がiPhoneみたいなのを作ったらドコモが主導するi-modeが一気にシェアを失くす
電子書籍が流行ったら印刷業界の半分が潰れる。
スカイプを作れば電話業界が一気に潰れる。

昔もE-mailのシステムを考えたやつが、「郵便局の仕事を取るな」と潰されたそうだ。
一つの発明が千の会社をぶっつぶすことを許さない社会で神ソフトが育つわけねぇだろ。

84 :名刺は切らしておりまして:2010/06/02(水) 21:21:21 ID:Lq6p5NHs
>>69
その通り。
ソニーはipodのようなものを作る構想はあったが、
CD産業を潰してしまうのでお流れになった。
電子書籍だってはじめはソニーやパナソニックがやろうとしてたが、
出版業界が全く乗り気じゃなかったため軌道に乗らなかった。

日本企業は既存の権益団体を潰してまで新しいことをやろうとする度胸も力もない。
アマゾンやアップルやグーグルはそんなことお構いなし。
その違いが勝敗を分ける決定的な差になる。

参考
iPad部品 日本製影薄く

2010/06/02

チームリーダーの教科書



当たり前の前提として、チームで進むべき方向性を「自分で決める」ことができる人間がリーダーである。その上で、おおよそこんな感じのことが書いてある。

(1)ビジョンを掲げる。
何がチームのゴールで、いままでの方法にどのような新たな試みを加え、現状の力を使ってどのようにしていくのか。

(2)チームのひとりひとりと向き合う。
ひとりひとりの意見を引き出し、任せるべきは任せ、常に感謝する。
やる気が無ければ怒り、仕事のミスは注意し、本人の人格は守り、怒った後にはフォローする。
業績面と企業文化面の両面で評価軸をしっかり固め、個々人のプロセスを評価する。

(3)チーム内外のトラブルを防ぐ。
チーム内をチーム外から守る。
チーム内の対人関係を活性化する。

(4)次のリーダーの育成
リーダー候補を発掘し、リーダーとしての行動パターンを植え付ける。

こんなところかな。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則



「成功者がさらに成功するためには」というコンセプトから「What Got You Here Won't Get You There(いままでのやり方ではうまくいかない)」ということを言っている。成功者はその成功体験ゆえに、対人関係に関する20の悪い癖と21番目の悪い癖を持っている。20の悪い癖は情報と感情に関する欲望で構成される。「自分の持っている情報を抑えられない欲望」(byトムウルフ)「感情に動かされてしまう欲望」「相手を尊重しているという情報の出し惜しみ」に大別される。21番目の悪い癖は「目標に執着しすぎる」ことで、これら21の悪い癖が対人関係を悪化させ、次なる成功の阻害要因となる。

改善策。1、関係者あるいは自分自身がフィードバックに努め、止めるべき悪癖を特定する。2、悪癖は素直に認め、過去を謝罪する。3、未来に向けて、悪癖を直していくことを宣伝する。4、「情報の抑えられない欲望」を抑えて、きちんと聞く。

そのために周りの人物から自分を見てくれるコーチを探し、これからどうしていくのかを一緒に考えていく。その際に、自分の尺度で良し悪しを判断すること無く、ニュートラルに吸収し、感謝の意を示す。

2010/05/29

ありえそうな話

産業政策は間違っているという論文は多い。
下記の言う、真逆のことやっているからなのかも。

57 :名刺は切らしておりまして:2010/05/26(水) 02:29:29 ID:5scxJbjK
そもそもだ。
1、将来有望な立ち上げ中の産業は規制と国の予算で保護育成する。
2、今が旬の競争力があり利益が稼げる主力の産業はほどほどの規制だけで出来るだけ自由に自立活動させる。
3、斜陽な産業は大胆な規制緩和で整理統合と再編、新規参入の敷居を下げる。

この三つをきちんと出来ていれば市場が硬直することは無い。
日本の政治家は普通真逆のことをやりたがるけどな。

2010/05/23

国債の将来

ファシズム。

国債が沢山殖えても全部国民が消化する限り、すこしも心配は無いのです。

国債は国家の借金、つまり国民全体の借金ですが、同時に国民が其の貸手でありますから、国が利子を支払つてもその金が国の外に出て行く訳でなく国内に広く国民の懐に入っていくのです。

一時「国債が激増すると国が潰れる」といふ風に言はれたこともありましたが、当時は我国の産業が十分の発達を遂げてゐなかった為、 多額に国債を発行するやうなときは、必ず大量の外国製品の輸入を伴ひ、国際収支の悪化や為替相場、通貨への悪影響の為我国経済の根底がぐらつく心配があつたのです。

然し現在は全く事情が違ひ、我国の産業が著しく発達して居るばかりでなく、為替管理や各種の統制を行つて居り又必要なお金も国内で調達することが出来るのでして、従つて相当多額の国債を発行しても、 経済の基礎がゆらぐやうな心配は全然無いのであります。

2010/04/29

罪と罰





主人公は、少数の天才は偉業を成し遂げるために現行秩序を無視することを良心に許す権利があるという思想を持つ。そして自分に全人類を救済する資格があるか試すために強盗殺人を行い、権力を握るべく自分に投資しようとする。ところが事件に区切りをつけることができずに、精神の疲労に悩まされる。一方、彼はある売春婦を救済すべき対象者の象徴として彼女に興味を抱いた。それと同時に、彼女もまた人類救済を目的として道徳を踏み外していた。主人公は彼女に共通点を見出して、彼女に事件の全容を明らかにするのであった。 

それにしても主人公が予定外の殺人に対して罪悪感を抱くという感想文を度々見かけるけれども、上巻p483では《どうしておれは彼女のことをほとんど考えないのだろう、まるで殺さなかったみたいに?》と思索しているし、下巻p435では《これを罪というのか?おれはそんなことは考えちゃいない、それを償おうなんて思っちゃいない。》と妹に発言しているから、罪悪感ではない何か別のものに悩まされたと私は考える。また、小説全体の主題として一部の人からは“殺人の是非”が挙げられているけれども、著者は主人公を自分に重ね合わせているのであって、革命思想の限界とキリスト教の信仰を主題にしているかと思われる。



追記。
主人公が悩まされたのは、妹のドゥーニャと恋人になるソーニャからの無償の愛かもしれない。
追追記。
おそらく主人公はメランコリー親和型の鬱病だ。責任感の強い完璧主義にも関わらず、完全犯罪を失敗したと思っている。そのために精神的に参って熱病にうなされるのかもしれない。

事業再生




不良債権 
(a)銀行法等によるリスク管理債権の分類 
「破綻先債権」「延滞債権」「三カ月以上延滞債権」「貸出緩和債権」 
(b)金融再生法による貸出債権等の分類 
「破産更生債権及びこれに準ずる債権」「危険債権」「要管理債権」「正常債権」 
(c)金融検査マニュアルによる債務者区分 
「破綻先」「実質破綻先」「破綻懸念先」「要注意先(要管理先を含む)」「正常先 
(d)金融検査マニュアルによる貸出等債権の分類 
担保の分類と債務者区分で第I分類から第IV分類に分類 

債務超過の解消 
(a)含み益がある遊休資産の評価替え 
(b)次の決算期からの利益(取引先の倒産などによる一時的な債務超過) 
(c)債権者の債権放棄 

財務諸表による財務の健全性と粉飾決算のチェック 
(a)経産省が毎年発表する各産業分野の財務指標を参考に、財務指標を同業他社と比較 
(b)営業利益が赤字の場合には、どの営業部門が赤字なのかとその原因を調べて、改善の見込みがなければ、その部門を閉鎖 
(c)不要不急な資産を処分することで有利子負債を圧縮し、営業外収支と経常利益を改善 
(d)さまざまな財務比率によって財務内容が健全か判断 
(e)年間売上高と在庫品の金額を比較して在庫品が多いときは死蔵品がある可能性が高い 
(f)年間売上高から計算されるより売掛金の計上が多いときは回収不能な売掛金が混入している可能性が高い 
(g)何年間かの「比較貸借対照表」「比較損益計算書」「比較製造原価報告書」を作って、各項目の増減変動を調べ、増減変動の原因を調査究明 

企業価値の評価 
(a)EBITDA倍率法(イービッダー・マルチプル法) 
(b)DCF法 
(c)純資産法 

メインバンク制・不動産担保からの変化 
(a)直接金融 
(b)プロジェクト・ファイナンス 
(c)シンジケート・ローン 
(d)包括的担保制度(動産・債権譲渡特例法) 
(e)財務制限条項(financial covenants) 
(f)リレーションシップ・バンキング 

事業再生の手法 
(a)M&A(Merger and Acquisition) 
(b)DIPファイナンス(Debtor in Possession) 
(c)DES(Debt for Equity Swaps) 
(d)DDS(Debt Debt Swap) 

事業再生のプレイヤー 
投資銀行や証券会社→M&Aのアドバイス 
コンサルタント会社→事業再構築計画立案のアドバイス 
証券会社、投資銀行、監査法人など→財務DD(Due Diligence) 
不動産鑑定士→不動産資産の価値評価 
法律事務所→法務DD 
ファンド 
債権回収会社(サービサー) 

事業再生の制度 
(a)一般の私的整理 
(b)私的整理ガイドライン 
(c)民事再生法 
(d)会社更生法 
(e)倒産法 

私的整理ガイドラインの手続きの概要 
(a)再建計画立案 
(b)一時停止通知 
(c)債権者会議の開催と専門家アドバイザーの選任 
(d)再建計画案への債権者の同意 
(e)ガイドラインには再建計画案の中身について規定有り(三会計年度以内の黒字化など) 
(f)広義の金融機関に対する債務を整理することを想定 

民事再生手続きの概要 
(a)再建できる見込みがない場合を除いて手続きを開始するのが原則 
(b)経営者続投(DIP)が原則 
(c)債権調査、否認権、役員責任追及の簡易化 
(d)担保権は別除権 
(e)裁判所の許可で債権の変更等が可能 

会社更生法の特徴 
(a)大企業向け 
(b)旧オーナーや経営者の放逐 
(c)担保権や租税債権を多数決で変更可能 
(d)更生管財人が全権を掌握 
(e)100%減資と新株発行の組み合わせによるオーナー入れ替え 
(f)旧株主権をある程度残せば上場維持可能 

その他 
(a)「平等と衡平」の理念に基づく破産法による破産手続き 
(b)特別清算 
(c)産業活力再生特別措置法 
(d)新会社法 

産業再生機構のスキーム 
事業DD→存続部門と閉鎖部門と譲渡部門に分ける。 
存続部門…コスト削減計画、投資計画を立て、将来の事業計画や収益計画を立てる 
閉鎖部門、売却部門…精算方針や譲渡先の探索方針を立てる 
財務DD→財務再構築方針を立てる 
法務DD→偶発債務発生のおそれや範囲、諸権利義務や契約上や組織についての問題点の洗い出し、それらの対処方法、適切な再編スキームなどを検討する

2010/04/22

【脳】コンピューターを利用した脳トレーニング(脳トレ) 効果に疑問 英で1万人実験

http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1271862730/
1 :依頼17-179@白夜φ ★:2010/04/22(木) 00:12:10 ID:???
◇「脳トレ」効果に疑問…英で1万人実験

コンピューターを利用した脳トレーニング(脳トレ)は、
健康な人の思考力や記憶などの認知機能を高める効果は期待できないことが、
ロンドン大学などの1万人以上を対象にした実験で分かった。

脳トレは世界的ブームになっているが、大規模な検証はほとんどなかった。
英科学誌ネイチャーで21日発表した。

18~60歳の健康な1万1430人を三つのグループに分け、
英国で販売しているコンピューターゲームをもとにした脳トレを1日10分、
週3日以上、6週間続けてもらい効果を調べた。

最初のグループは積み木崩しなどを使った論理的思考力や問題解決能力を高めるゲーム、
もう一つのグループはジグソーパズルなどを使った短期記憶や視空間認知力を高めるゲームをした。
残り一つは、脳トレとは無関係のゲームを行った。
その結果、脳トレを続けたグループでは、ゲームの成績は向上したが、
論理的思考力や短期記憶を調べた認知テストの成績はほとんど向上せず、
3グループ間で差がなかった。

(2010年4月21日12時34分 読売新聞)

▽記事引用元
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100421-OYT1T00518.htm
YOMIURI ONLINE(http://www.yomiuri.co.jp/

▽関連リンク
Nature
No gain from brain training
Computerized mental workouts don't boost mental skills, study claims.
http://www.nature.com/news/2010/100420/full/4641111a.html

2010/03/16

Itoh and Kiyono (1987)

http://www.e.u-tokyo.ac.jp/cirje/research/dp/86/f4/dp.pdf
Welfare Enhancing Export Subsidies

通常の一財モデルにおいて、輸出税と輸入税は経済厚生を低下させる。これは部分均衡分析における税の導入と同様、死荷重が発生するからだ。しかし、多財モデルにおいて、世界的に競争が激しい産業セクターに輸出補助金を付与することは、その財を輸入から輸出に転じることができ、産業促進になるとのこと。

サムスンとかがそうなるんかな。

2010/03/03

Mandel and Semyonov (2006)

Mandel, H., & Semyonov, M., 2006, "A Welfare State Paradox: State Interventions and Women's Employment Opportunities in 22 Countries," American Journal of Sociology, 111(6):1910-1949.
http://d.hatena.ne.jp/jtsutsui/20100303/1267561978
Welfare State Indexというもので福祉国家度を示すようだ。
・北欧型福祉国家は高い女性労働力率を実現
・低福祉介入国家において女性の管理職比率が高い

この女性管理職比率と女性労働力率がパラドックスとなる。

2010/03/01

Prescott (1986)

"Theory Ahead of Business Cycle Measurement." by Edward C. Prescott .

米国実証で(1)資本分配率と労働分配率(64%)はほぼ一定。(2)賃金は大幅に上昇(3)一人当たり余暇はほぼ一定(4)労働時間がGNPをほぼ説明。Hansenのindivisible hour(=ワークシェア不可能)のモデルは4への説明力を改善。

Heathcote, et al. (2008)

Insurance and Opportunities: The Welfare Implications of Rising Wage Dispersion
Jonathan Heathcote , Kjetil Storesletten, and Giovanni L. Violante

ln w=α+ε~N(-V/2,V)でα~N(-A/2,A)は先天的な生産性、ε~N(-E/2,E)は各期に襲いかかるショック。ショックだけを保険する不完全市場、αも保険する完全市場、保険なしのアウタルキーを考察。

コンポーネントプランナーは各期の効用最大化を解けばよくて、不完全市場でln c=(α,ε,E),ln (1-h)=(α,ε,E)の関数が得られる。ここでαは保険不可能なr.v.、εは保険可能なr.v.と考えると、完全市場とアウタルキーは不完全市場の特殊形となる

不完全市場の変数が(α,ε,A,E)だったので完全市場では(0,α+ε,0,V)と置き換え、アウタルキーでは(α+ε,0,V,0)とする。ここで完全市場であっても消費が平準化されるとは限らない。選好が消費と余暇で別々ならば労働の影響を消費が受けないがコブダグラスでは掛け算してる。

カリブレーションして30年間の米国賃金格差拡大は(i)生産性が高い労働者に仕事が集中することで消費水準5%分アップに相当するウェルフェアゲイン(ii)消費と余暇の分散が拡大することで7.5%分のウェルフェアロス。(iii)αが保険できれば(i)の効果がさらに効率化…かな。

Braun and Nakajima (2009)

Optimal monetary policy when asset markets are incomplete
R. Anton Braun
University of Tokyo
Tomoyuki Nakajima
Kyoto University

Braun&NakajimaはMoneyがないぞ!金融政策当局はインフレ率を直接操作するのか。Calvo pricingを仮定しているけれども、どこに関わっているのかは読む時間がない。Braun&Wakiは金利ゼロ制約回避よりもテイラー則に従う長期名目利子率のほうが重要であると。

Braun and Waki (2006)

R. Anton Braun, and Yuichiro Waki (2006)“Monetary Policy during Japan’s Lost Decade", Japanese Economic Review, Vol. 57, No. 2, pp. 324-344.

Braun&WakiはMIU+資本調整コスト+CES型最終財+コブダグラス型中間財+政府の予算制約(シニョレッジ付き)+テイラールール(非負)でゴリゴリ。最後のテイラールールの均衡値を長期名目利子率と定義。計算はエグイので見なかったことにする。

Braun and Korber (2010)

New Keynesian Dynamics in a Low Interest Rate Environment.
R. Anton Braun
University of Tokyo
Lena Mareen Korber
German Institute for Economic Research

貢献は(1)日本(1991-98年のバブル崩壊、1999-2006のゼロ金利)をテストケースとする。(2)Christiano, et al(2009)に考察を加える。マークアップの反応、金融政策が受動的か積極的か(3)価格がバインドするモデルを解く。
どうやらBK論文によれば、Christiano, et al(2009)の乗数4は線形近似の賜物。非線形な関数を近似するとビッグ・ショックに対する政策乗数がダメになる。それから価格の調整コストの形にも左右される。BK論文ではゼロ金利下の乗数が2.6で、4より小さい。

2010/02/14

Lost Decades #3

全国市街地価格指数は1991年9月末にピークに下落する一方であるようだ。土地については場所によって指数も違うが、同じ場所でも一物四価、一物多価と呼ばれる。時価、公示価格、相続税評価額、固定資産税評価額の四価に加えて、路線価、基準地価などなど。Kiyotaki-Mooreは担保となる生産要素の価格をモデル化しているが、実証はされているのだろうか。

日本労働年鑑 第66集 1996年版
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/1996/rn1996-039.html
東京都の人口。1965年から伸びが鈍化しており、1990年-1993年は横ばいである。本社機能が東京一極集中していることを考えると、東京都人口と日本経済に相関関係があるかも。

第一次産業は1975年に折れる。これはルイスの転換点として研究されていたはず。理髪料金の値段が面白い。これを労賃の指標とすると、大量生産物は値段が変わらない一方で、労賃が上がり続ける。そして米価も上がっていて、カレーライスの値段がそれに似た動き。物価上昇は労賃に関係しているのだ。したがって、リフレ政策は効果なしと思われる。

2010/02/12

Lost Decades #2

自動車製造業
http://e2a.jp/number/080218.shtml
なんと国内自動車生産台数のピークは1990年、自動車製造業従事者のピークは1991年の94万人である。もっというと完成車製造業従事者のピークは1985年であり、部品製造業従事者が近年は伸びていた。2001年の80万人がボトムのようだ。

2010/02/10

Lost Decades #1

日本は失われた10年、失われた15年、失われた20年などと言われ続けているが、ピークとしては株価の最高値は1989年38915円87銭、ドル建てGDPの最高値は1995年5兆2640億ドル、名目GDPは2007年515.7兆円などというようにバラバラ。生産指標はおおよそ横ばいで推移していて、シュリンクしているのは株価程度。もうちょっと細かい指標を見てみよう、とふと思った。

新聞の発行部数
http://www.slis.keio.ac.jp/~ueda/sotsuron98/koyama98.html
http://walking-elephant.blogspot.com/2008/08/ipod.html
おおよそIT化の影響が大きい。伸び悩みはむしろ人口増加率減のようだ。

2010/02/05

大英帝国衰亡史

神野直彦先生は「宇沢先生によれば、ローマ帝国衰亡史と同様、アメリカ帝国は2011年に崩壊する!」と東大最後の授業で煽っていた。どうやらローマ帝国は10年かけて崩壊したらしく、アメリカ9・11の2001年から10年ということのようだ。それと関連して、この大英帝国衰亡史の行っていることが面白い。
英国は興隆していくにつれて市場を開放し自由貿易を促進していったが、そのうちに製品はほとんど輸入品になり、最後に残された砦が金融業界であったこと。そして貿易黒字を貯め込んで、その資産を海外に投資して、海外の資産の収益で輸入品を大量に買い始めた。もともと英国は軍事費はとても少なかったが、その海外の資産を守るために、急激に国防費を増やしていき、その国防費負担が大幅な財政赤字へとつながっていって、国力の衰退へとつながっていった。
大英帝国衰亡史
http://d.hatena.ne.jp/yumyum2/20010319/984928152

Google技術講演会

音声ファイル
http://www.megaupload.com/?d=2SRKMVRR
質疑応答もあったのだが、筑波大を名乗る就活生に意味不明な質問を沢山されてしまった。(小生が技術に疎いからかもしれないが。)小生がした質問は「Google日本語変換ってアプリケーションによっては挙動が不審なんだけど!」エンジニアの答えは「XPをお使いですよね?XPはTSFからIMMへの移行期であり、どちらかというとOS上の問題。もちろん、OpenOffice.org等はまた別の問題ですが。」いじわるな質問にもきちんと対応するエンジニアかっこいい!!さすがに筆記用具・メモ帳すら持たずに手ぶらで行っただけなので質問の答えは専門外だったが、ここはGoogle先生に聞いて補完しておいた。

ちなみに20%プロジェクトは、任意じゃなくて義務。したがって、何らかの形で時間の20%を使わなければならない。それから、よくある誤解だが、実際には個人の変換データはグーグルに送られない。64bit版はIM.DLLを書き換えて終了。Google日本語入力はクラッシュ対策のためにDLLを極小化し、レンダラ(変換候補の表示)とコンバータ(変換辞書)を大きくしている。アプリケーションからDLLを通じてレンダラとコンバータに殆どナマの情報を受け渡すのだ。このクラッシュ対策により、アップデートが自然に行なわれる。一度レンダラとコンバータをKILLして、新しいレンダラとコンバータにすり替えたとき、あたかもレンダラとコンバータが同じままにアップデートできているのである。(先日カタカナ語変換ができるようになった。)

※比較的よくまとまっているブログ(大阪講演)
Google日本語入力の技術講演会
http://cpplover.blogspot.com/2010/01/google_30.html
Googleの講演会に行ってきました
http://d.hatena.ne.jp/sak_65536/20100130/1264860202

※比較的よくまとまっているブログ(東大講演)
http://d.hatena.ne.jp/nokuno/20100204/1265304469
http://d.hatena.ne.jp/kazukichi_0914/20100205/1265332682

Chaney (2008)

Distorted Gravity: The Intensive and Extensive Margins of International Trade
By Thomas Chaney
American Economic Review 2008, 98:4, 1707–1721

同じ内容のJob-Market Paper (Distorted gravity: Heterogeneous Firms, Market Structure and the Geography of International Trade)
http://sticerd.lse.ac.uk/seminarpapers/special21022005.pdf

Melitz (2003)を踏み台にして、下記引用部のような対立する見解について、実証分析してる。その結果としてFirm Heterogeneityの仮定のもとでは、(1)貿易障壁が小さくなったり輸出の参入障壁が小さくなったりすると輸出量が増える。(2)代替弾力性の小さいセクターほど、貿易障壁が小さくなった時の貿易増加が小さくなる。

企業の生産性の異質性が貿易量に与える影響の実証
http://tetteresearch.net/seminarpaper/2005/11/16.html
貿易を行うときの障壁が低下したときに貿易量がどれだけ増えるかは、各財の需要の代替弾力性に正に依することがKrugmanのモデルによって示されていた。代替弾力性が大きいと貿易コストの低下で輸出入品の価格が下がったときにそれだけ国内品から需要を奪うからである。しかし、その分析は産業内の企業の生産性が同質であることを前提にしていた。この論文は生産性にばらつきがあるケースでは、財の需要の代替弾力性の影響は正反対になることを示している。生産性にばらつきがあるケースでは,一部の高い生産性を持つ企業しか輸出しない。この場合貿易コストが低下したときにはすでに輸出していた企業が輸出量を伸ばす効果だけでなく,新たに外国市場に参入する企業が出てくる効果も出てくる。後者の効果は代替弾力性が小さいほど大きい。新たに参入する企業は輸出企業の中では比較的生産性が低いので代替の弾力性が小さくて市場競争が激しくないときほどより多く輸出することができるからだ。この後者の効果が大きいと,需要の代替弾力性が小さいときこそ,貿易を行うときの障壁が低下したときの貿易量拡大効果は大きいことになる。

2010/02/04

Johnson (1982)

Chalmers A. Johnson. MITI and the Japanese Miracle: The Growth of Industrial Policy, 1925-1975 (June 1, 1982 ed.). Stanford University Press. pp. 412.
chap.1
いわば通産省の産業政策を経済成長の源泉とする政治学本である。一方、Esteban-Pretel and Sawada (2009)では、産業政策は無効というシミュレーションをしている。とはいえ、後者の論文では産業政策を補助金のようなTangible policiesと行政指導のようなIntangible policiesに分け、経済的な変数として識別できるTangible policiesのみを扱っている。したがって、前者の政治学本はIntangible policiesであり、これを否定したわけではない。そのIntangible policiesを否定する本としては三輪芳朗とマーク・ラムザイヤーの本がある。(ここにレビュー。)ちなみにこの三輪先生は、産業組織論とかコーポレート・ガバナンスがご専門なのだが、ゲーム理論からはアプローチしないという先生でおられる。行政改革委員会で滅茶苦茶やっていたみたいである。

Rationality

http://gregmankiw.blogspot.com/2010/01/economics.html
ミクロ経済学の重要な仮定であるのは「One More. Rational people make decisions on the basis of the cost of one more unit.」である。ところが下記のジョーク動画でも言っているが、オレンジを買う人がワンモアオレンジ、ワンモアオレンジと繰り返し言って買うわけがない。ドラマ不毛地帯でも、ここで引き下がるわけにはいかんのや、というような非合理的な現実に直面する。もし人間がそのように動くならば一般均衡モデルは脱構築しなければならないが、その場合どのような仮定がモデルの前提になるのかは不明である。Matsuyama (JPE 2002)のようにイチかゼロを選ぶ選好を持っているのかもしれない。

Mankiw's 10 principles of economics

2010/02/03

行動経済学


このNudgeという本が読み途中で床に転がっているのだが、行動経済学の本である。この人気の行動経済学は、経済学の傍流に過ぎず、以下のように断じられている。
http://blog.livedoor.jp/yagena/archives/50564161.html
「行動経済学/実験経済学/神経経済学に関連するセッションが一つもない」(中略)私は行動経済学系の専門家ではないので断定的なことは言えませんが、書かれる関連論文の本数は已然として多いものの、昔と比べると、革新的な論文が量産されているような印象はあまりありません。(中略)世間で盛り上がりを見せるこれらの分野に対して、一定の距離を置いて冷静に見つめ直すべき、というプログラム委員会の強い意思表示である可能性もあるのではないかと思います。(後略)
http://unrepresentativeagent.blogspot.com/2009/12/rant-on-behavioural-economics.html
行動経済学なるものが正確に何を指すのか僕にはよくわからないけれど、hyperbolic discountingとかloss aversionとかのような普通でない(exotic) preferenceであれば、habitのように、これまで使われたフレームワームに取り入れられて終わるのではないだろうか。経済学の「標準的な」フレームワークはとても柔軟である。(中略)わけのわからない些細なことをちょっと変わった仮定を使って説明するよりも、マクロ経済学の観点でいえば、標準的なセットアップで最適とされる政策と「行動経済学的」な仮定の下で最適な政策が大きく異なる、というような例がほしい。
そりゃーそーだわ。ミクロ的基礎付けにどうやって応用するかが第一関門で、そうすると結局単純化した形で取り込まれることになるわけで、そうすると結局既存のモデルと大差がなく、既に取り込まれているとも言える。

多田洋介(2003)『行動経済学入門』日本経済新聞社。
http://chachaimemo.blogspot.com/2009/03/2003.html
日本経済学会2008年度石川賞講演論文「行動経済学は政策をどう変えるのか」
http://www.e.u-tokyo.ac.jp/~iwamoto/Docs/2009/KodoKeizaigakuhaSeisakuwodoKaerunoka.pdf
↑内容は面白いが、引用しにくいし、まとめられないからpdfを直接読むと良い。

Mankiw, Weinzierl, and Yagan (2009)

Journal of Economic Perspectives
Vol. 23, No. 4, Fall 2009
Optimal Taxation in Theory and Practice
N. Gregory Mankiw, Matthew Weinzierl and Danny Yagan
http://unrepresentativeagent.blogspot.com/2009/12/optimal-taxation-in-theory-and-practice.html
1.最適な限界税率曲線(収入レベルに応じた限界税率をあらわす)は「能力」の分布度合いによって異なる。
2.高収入の人に対する最適限界税率は下がる可能性がある。
3.Flat taxとLump-sum Transferの組み合わせが最適課税に近い可能性がある。
4.最適な再配分の度合いは賃金格差とともに拡大する。
5.税率は収入だけではなくて個々人の特徴(学歴、IQ、年齢、性別、背の高さ、肌の色、人種、等)に依存するのが最適である。
6.最終消費財のみ課税されるべきである。そして、税率は一律であるべきだ。
7.資本所得(capital income)に課税してはいけない。
8.長期的な課税方法を考えた場合、最適課税は、過去の収入の歴史や現在の資産レベルに依存し、それらが労働収入と資本収入に対する課税方法に与える影響は単純ではない。
ふーむ。第三項はフリードマンの負の所得税、あるいはベーシック・インカムということになるんだろうか。しかしながら、政府税調の石光弘でさえ党税調との協調に失敗したのだから、最適税制というものは結論をひとつにできる性質のものではなく、税制改革は到底の努力を費やさなければ不可能である。その点、税制についてのモデルを考えるとなると火傷しかねないので、手をつけないほうが宜しいであろう。

Doepke and Schneider (2006)

Matthias Doepke & Martin Schneider, 2006. "Inflation and the Redistribution of Nominal Wealth," Journal of Political Economy, University of Chicago Press, vol. 114(6), pages 1069-1097, December.

This study quantitatively assesses the effects of inflation through changes in the value of nominal assets. It documents nominal asset positions in the United States across sectors and groups of households and estimates the wealth redistribution caused by a moderate inflation episode. The main losers from inflation are rich, old households, the major bondholders in the economy. The main winners are young, middle-class households with fixed-rate mortgage debt. Besides transferring resources from the old to the young, inflation is a boon for the government and a tax on foreigners. Lately, the amount of U.S. nominal assets held by foreigners has grown dramatically, increasing the potential for a large inflation-induced wealth transfer from foreigners to domestic households.

http://unrepresentativeagent.blogspot.com/2010/01/inflation-and-redistribution.html
Doepke and Schneider(JPE2006)は、一言で言うと、予想されなかったインフレによって得する人と損する人をデータから整理して、突然インフレ率がこの先10年5%上がった際、得する人と損する人が実際どのくらい得あるいは損するのか計算してみた論文である。インフレが異なる主体にどのように異なる影響を与えるか、というのは、閉鎖経済でのrepresentative agentとして国をモデル化する場合完全に無視されている要素であるが、その危険性を指摘した論文とも言えよう。

http://lagakos.faculty.asu.edu/~lagakos/teaching/ds_2006_5.pdf
まとめスライド(?)

2010/02/01

Hochberg, Ljungqvist, and Lu (2007)

Whom You Know Matters: Venture Capital Networks and Investment Performance
YAEL V. HOCHBERG, ALEXANDER LJUNGQVIST, and YANG LU
THE JOURNAL OF FINANCE VOL. LXII, NO. 1 FEBRUARY 2007

ベンチャーキャピタルのパフォーマンスがリレーションシップやネットワークの強さによって形付けられるらしい。さらに、良かれなネットワークを有しているベンチャーキャピタルのポートフォリオに含まれる会社は、その後の融資あるいは出口戦略まで生き残る傾向が強いようだ。

http://jp.techcrunch.com/archives/20090627the-top-100-networked-venture-capitalists/
著者らが過去のベンチャーの見返りを調べたところ、「ネットワークに優れたVC会社は、有意に優れた投資実績を得ている」ことがわかった。各社のポートフォリオにあった会社のうち、IPOまたは買収によってExitした会社の数を、成功の指標にしている。

この研究では、あるVC会社のネットワークの定義を、投資ラウンドで共同出資したことのある他の全VC会社数から成るとしている。共同出資者が多いほど、そのVCのネットワークは優れていることになる。そしてネットワークが多いほど、全体の見返りも大きい。VC会社のネットワークの大きさと、見返りの大きさとのこの相関は、契約案件や人材、アドバイザー、潜在顧客、見込みExitなどの情報へのアクセスと何らかの関係があるのかもしれない。

Arthur (1989)

Positive Feedbacks in the Economy
Journal article by W. Brian Arthur; The McKinsey Quarterly, No. 1, 1994.

どうやら限定合理性系の経済学者らしい。ダイヤモンド社から内容Quote.

伝統的な経済理論は、収穫逓減という前提の上に構築されている。経済活動においては、常に負のフィードバックが起こり、価格や市場シェアの変化は予測可能で、それらは必ず均衡につながる、というものだ。どのような大変化も、結局は自らに対する反応によって帳消しとなるために、この負のフィードバックは経済を安定化させる傾向がある。例えば、1970年代の石油価格の高騰は、省エネルギーや油田探査活動の強化を促して、80年代初めには「予測どおりに」石油価格の暴落を招いた。伝統的な理論によれば、均衡が、その状況下で可能な限り「最適」な結果、すなわち最も効率的な資源の利用と配分を定める。

Unquote.ここから先は本文を読んでね、というダイヤモンド社の魂胆だと思うが、収穫逓増の世界では逆のことが起こるということはKrugman論文等々によって確認済み。目新しい研究というよりはむしろ当時の最新経済学を実務家に講義しているイメージ。ちょっと実例をあげているのかな。

2010/01/31

Jaimovich and Siu (2009)

Nir Jaimovich & Henry E. Siu, 2009. "The Young, the Old, and the Restless: Demographics and Business Cycle Volatility," American Economic Review, American Economic Association, vol. 99(3), pages 804-26, June.
http://unrepresentativeagent.blogspot.com/2010/01/demography-life-cycle-and-business.html

特に、若い労働者(彼らの分類では15-29歳)と、退職間近の労働者(60-64歳)の平均労働時間は景気に大きく影響される一方、中間の労働者(30-59歳)の平均労働時間は比較的景気に影響を受けない。(中略)OECD諸国の平均では、30歳以下のグループは、労働力の30%しか占めていないけれども、総労働力の振れvolatilityの50%を生み出している。(中略)日本の景気変動の大きさが1990年代に上昇した一因は、60代の労働者の割合が増加したものだ。

あくまでイメージとして、付加価値は20代後半と30代が稼ぎ出し、40代50代がそれら稼ぎ頭を管理しているというイメージを持っている。そして、不思議なのはセイの法則と有効需要の原理の関係で、潜在的需要を狙って労働時間を増やせば景気が回復するということになるのか、あるいは景気悪化によって需要が減退することによって賃金削減策として労働時間が減ってしまうのかよくわからないのだ。いずれにしても労働時間と国内総生産は負の相関となるが、この相関関係における因果関係がどちらの向きなのかわからないのである。供給が需要を決めるというのは貨幣を前提にした話であって、需要を供給を決めるというのは生産制約がないことを前提にした話ということになるだろう。セイの法則は、供給の背景として金銭を得てモノを得たいという欲求の二重の一致機能としての金銭を媒介に、市場経済が需給を一致させる価格を決定すると説明される。これが労働市場においてはどうなるのかと言えば、よくわからないのだ。ヒトとモノは性質が違うからね。

Pastor and Veronesi (2009)

the American Economic Review: Vol.99, No.4 Sep. 2009
Title:”Technological Revolutions and Stock Prices
Auther: L. Pastor, P.Veronesi
http://www.shiromage.com/?p=129
著者らは、1830-1861:の鉄道バブル、1992-2005:のITバブル時のデータを用い、「新しい技術の生産性がわからないまま投資した結果、不確実性がなくなるにつれてリスクが露呈し、バブル崩壊」というプロセス仮説の妥当性を研究した。つまり、投資家がみな「わからないまま必死に投資」し、その結果「過剰なことがわかって一気に引き上げた」ことがバブルの原因かどうかを調べた。
 結論としては、残念ながらこの仮説は正しくなかった。多くの投資家にとって、新しい技術はすぐには浸透せず「初めのうちはまともに投資されない」ことがわかった。(例えば1880年頃に登場した電気は、1920年頃まで、まともに浸透・活用されることはなかった)これらの時期にては、むしろ投資家はその新技術の価値に対しての「学習」を行うためのみに投資行動を行うので、この時期の「早すぎる加熱」がバブルを引き起こすというこの仮説は残念ながら棄却されることになった。

んー。バブルは産業構造変化と大いに関係している気がしてならないのだ。いや、バブル崩壊がバランスシート不況を引き起こして産業構造変化を止めるのかもしれない。キヨタキムーアとゾンビーレンディングと併せて読んでみたい。

Mankiw and Weil (1989)

Mankiw, N. Gregory & Weil, David N., 1989. "The baby boom, the baby bust, and the housing market," Regional Science and Urban Economics, Elsevier, vol. 19(2), pages 235-258, May.
http://unrepresentativeagent.blogspot.com/2010/01/baby-boom-and-baby-bust.html

人口構成と住宅市場の分析らしい。

2010/01/30

Feyrer (2009)

Distance, Trade, and Income – The 1967 to 1975 Closing of the Suez Canal as a Natural Experiment
James Feyrer
NBER Working Paper No. 15557*
Issued in December 2009

関連voxeu.org
The 1967-75 Suez Canal closure: Lessons for trade and the trade-income link

1967年から1975年まで中東戦争によりスエズ運河が閉じていたらしく、これによって変化が生じる二国間の距離を操作変数として国際貿易の重力モデルから係数を出しているようだ。

2010/01/29

Murphy, Shleifer, and Vishny (1992)

Murphy, Kevin M and Shleifer, Andrei and Vishny, Robert W, 1992. "The Transition to a Market Economy: Pitfalls of Partial Reform," The Quarterly Journal of Economics, MIT Press, vol. 107(3), pages 889-906, August.

ECONOCLASMからQuote.

以下のようなpartial reformの状況を考える。念頭にあるのはロシア。原材料生産が政府の計画によって決められている(自由化した場合より過小な生産量)。国営企業は政府によって決められた価格でこの原材料を買わねばならない。ここで、経済改革によって、この原材料を投入財とする製造業に民間参入が認められるとする。民間企業は原材料購入価格を自由に決められる。すると、民間企業は、国営企業が払う価格よりも少しだけ高い価格で原材料を購入し、原材料のほとんどが民間企業に配分され、国営企業は原材料不足に直面する。

しかも、民間が参入する製造業は、原材料需要の価格弾力性が高い業種。なぜなら、価格弾力性が高いということは、固定資本が必要ではなく、複数の投入財を同時に使わなくてもいいということであり、参入しやすい業種であるから。したがって、経済改革による社会厚生の損失は、非常に大きい。(需要の価格弾力性の高いセクターで取引量が増え、低いセクターで取引量が減るから)

しかし、もし経済改革後も、原材料需要の価格弾力性が低い業種への原材料供給を政府の計画通りに行えば、社会厚生水準は低くならず、弾力性の高い業種に参入した民間企業が原材料を買って市場が拡大する分だけ、厚生は上がる。これが、中国と旧ソ連の違いだ、というのがShleiferたちの主張。

Unquote. この三人組は複数均衡のビッグプッシュ論文だけだと思っていた。この論文の社会主義から自由主義への移行に際して方法を間違えると国富が落ちることを示しているという点、日本の構造改革も方法次第では国富が落ち込むということが考えられる。たとえば、既得権益を破壊しても成長産業を作らなければリソースが余ってしまう。

Glaeser and Shleifer (1998)

Glaeser, Edward L. & Shleifer, Andrei, 2001. "Not-for-profit entrepreneurs," Journal of Public Economics, Elsevier, vol. 81(1), pages 99-115, July.

ECONOCLASMからQuote.

起業家が営利企業ではなく非営利組織を立ち上げる理由は何か?

仮定は、(1)非営利組織の場合、収入は従業員の職場環境改善などに使われるので、同じ額の収入が起業家に与える満足度は、非営利組織の方が低い。(2)消費者との売買契約を結んだ後に、利潤追求のための費用削減努力をすると製品・サービスの質が低下する。(3)そのような質の低下を契約違反だとして消費者が裁判所に訴えても、立証することができない。

すると、仮定(1)より、非営利組織の方が、費用削減による利潤増加がもたらす満足度が小さいので、製品・サービスの質は、営利企業に比べて高くなる。したがって、消費者の製品・サービスの質に対するこだわりが強いほど、質の高さに多くのお金を払って購入してくれるので、非営利組織として活動する方が起業家の満足度が高くなる。

非営利組織の方が課税額が小さいとか、利他主義だから非営利組織を作るとか、そういう要因がなくても、非営利組織が存在しうるというのがポイント。

unquote. 起業については面白いけれども、起業家がNPOをやっている印象がない。社会起業家って最近の流行だと思ったんだけど、12年前からあったのかしら。

Bliss and Di Tella (1997)

Bliss, C. and R. DiTella (1997), "Does Competition Kill Corruption?", Journal of Political Economy, 105: 1001-1023.

ECONOCLASMからQuote.

競争促進が腐敗を無くすとは限らないんだよという事を示した論文。企業数の増減という意味での競争を内生化してるのが特徴。

以下のような状況を想定する。固定費用(生産量と無関係にかかる費用)だけ異なる複数の企業が同一の商品を生産。粗利益(=売上額-固定費を含まない生産費用)は各企業で同一。営業利益(=売上額-固定費を含めた生産費用)は企業数が増えると減少する。営業利益がマイナスなら生産を止める。各企業は1人の腐敗官僚の管轄下にある。腐敗官僚は、各企業の固定費用の確率分布と管轄下の企業の営業利益を知っていて、その企業から幾ら賄賂を要求するか決める。それに対し、企業は賄賂を払うか生産を止めるかを決める。

導かれる結果は、[1]既に生産をしている企業間の競争が激しくなり営業利益が減ると、企業数は減少するが、官僚の要求する賄賂額は増えたり減ったりする。[2]企業間の固定費用の差が小さくなり新規参入が容易になると、企業数も賄賂額もどうなるかわからない。[3]固定費用が増加し新規参入が困難になると、企業数も賄賂額も減少する。

社会厚生を考えると、固定費用がある場合は自由競争の結果が望ましいとは限らないから、官僚が賄賂を要求することで企業数が減り、社会厚生が増加する可能性はある。

unquote. 官僚汚職は馴染みがないのでわからないが、寡占化が必ずしも社会厚生を引き下げないのはよくわかる。公取がアホみたいに規制すると日本は世界から取り残されるぞ。

Ades and Di Tella (1997)

Ades, Alberto & Di Tella, Rafael, 1997. "National Champions and Corruption: Some Unpleasant Interventionist Arithmetic," Economic Journal, Royal Economic Society, vol. 107(443), pages 1023-42, July.

再びECONOCLASMからQuote.

投資促進を目的とした産業政策は、同時に腐敗を増加させ、腐敗は投資を阻害するから、産業政策の投資水準に与える影響はプラスとは限らない。それをcross-section(国別)データによる実証で確かめようという論文。

まず、腐敗が産業政策にどう影響されるかを調べる。産業政策の指標は、補助金額の対GDP比以外に、政府調達先が海外企業に開かれてる度合や財政措置が各企業に平等である度合を利用する。

腐敗水準が産業政策に影響するという逆のcausalityも考えられるので、(賄賂収入を増やすために規制を増やすetc.)産業政策の度合に相関するが腐敗水準には相関しない指標を探して、二段階最小二乗法を使う必要がある。そこで、隣接国の産業政策の度合の平均や貿易相手国の産業政策度の平均(輸入額シェアでウェイト付け)を利用する。ロジックは、隣接国や貿易相手国が産業政策を推し進めるほど、自国も対抗して産業政策を促進するが、外国の産業政策は自国の腐敗水準に影響しない、というもの。すると産業政策促進は腐敗水準を高めるという結果が出る。

次に、投資水準が産業政策と腐敗水準にどう影響されるかを調べる。予想通り、産業政策はプラスに、腐敗水準はマイナスに働く。(逆のcausalityがここでは考慮されてない。それを考慮して実証したMauro(1995QJE)は腐敗が投資を減らすという結果を出してる。)先に求めた産業政策が腐敗水準に与える影響を考慮すると、産業政策の投資水準に与えるプラスの影響は2割から3割に減少する。

unquote.開発経済学における腐敗研究はレビューがあった。

Shleifer and Vishny (1993)

Corruption
Andrei Shleifer and Robert W. Vishny
The Quarterly Journal of Economics, Vol. 108, No. 3 (Aug., 1993), pp. 599-617
(article consists of 19 pages)
Published by: The MIT Press

ECONOCLASMからレビューを拝借。タイトルそのまんま汚職について。Quote

学部ミクロで習う単純な独占モデルを応用。腐敗官僚を、公共サービス(パスポート発行など。途上国経済の文脈なら輸入許可や外貨割当など)を供給する独占企業になぞらえる。独占企業は、限界費用(一単位追加生産するのにかかる費用)と限界収入(一単位追加生産することで得られる売上)が一致するような生産量を選ぶが、そのような生産量の時に消費者が払う価格から限界費用額を引いた分を賄賂と見なす。

途上国企業が新規投資するには様々な政府の許可が必要であることが多い。それぞれの許可は補完財(コーヒーとミルクの関係)になっている。(コーヒーと紅茶のような関係は代替財。)その一つ一つの許可を一つの官庁が一括して管轄している場合(A)と、別々の官庁が一つずつ管轄している場合(B)と、複数の官庁がそれぞれ全ての許可を管轄している場合(C)とで、corruptionのもたらす影響が異なる。

Aの場合、官庁は、賄賂額を少し減らすことでその許可証の需要が増えると補完財である他の許可証の需要も増えることを考慮して賄賂収入を最大化する。結果、限界費用=限界収入となる許可証発行量よりは大目に発行して、賄賂額は少なめになる。

Bの場合、許可証の補完関係を考慮せずに賄賂収入を最大化するので、限界費用=限界収入となる許可証発行量が選ばれ、賄賂額はAを上回る。

Cの場合、各官庁が競争することになるから、どの官庁も賄賂額をどんどん減らしていかざるを得ず、結果として賄賂額はゼロになる。(寡占モデルとして学部ミクロで習うベルトラント競争の状態。)

Aはソ連やマルコス時代のフィリピン。Bはソ連崩壊後のロシアやアフリカ諸国。厚生損失はBが一番大きい。

unquote

Uzawa (2010)

Global Warming, Proportional Carbon Taxes, and International Fund for Atmospheric Stabilization
H.Uzawa
Review of Development Economics,14(1),1–19,2010
DOI:10.1111/j.1467-9361.2009.00528.x

この論文は宇沢弘文先生の最新論文ということになるけれども、ご自身の主張されている「炭素税」をご自身の専門である数理経済学でモデル化なさっている。つまり、炭素税によって二酸化炭素の循環がサステナブルになるのだといった内容。小生は地球温暖化を太陽活動を原因とした長期循環とみなしているので、どうでもいい話ではあるが。

2010/01/21

Mookherjee and Png (1995)

あかん・・・完全にコピペや。
Corruptible Law Enforcers: How Should They Be Compensated?
Dilip Mookherjee and I. P. L. Png
The Economic Journal, Vol. 105, No. 428 (Jan., 1995), pp. 145-159
(article consists of 15 pages)
Published by: Blackwell Publishing for the Royal Economic Society
>汚染物質を廃棄した企業は廃棄量に比例した罰金を払うという環境規制。でも廃棄量を規制当局が直接知ることはできないので、監査官に調査させる。廃棄量を少なくするための費用は企業が負担。もちろん、廃棄量が多いほど社会的にはマイナス。

まず、企業は廃棄量を決定し、同時に監査官は調査をどれだけ懸命にやるかを決める。その結果、
[1]監査官が廃棄量を知ることができなかった場合、企業は廃棄量の分だけ費用負担が軽くなり、監査官は努力した分だけ損する。
[2]監査官が廃棄量を知ることができた場合、企業と監査官は、(1)正直に廃棄量を報告する、または、(2)談合して規制当局に廃棄量を少なく報告し、企業が監査官に賄賂を渡す、のどちらかを選ぶ。
(1)の場合、企業は当局へ廃棄量に比例する罰金を払い、監査官は廃棄量に比例する報酬をもらう。(2)の場合、談合が規制当局にばれる可能性(第三者による真の廃棄量の報告)があり、(i)ばれた場合は、企業は談合により浮いた罰金額に何割か上乗せした罰金を払い、監査官は実際の廃棄量と報告した廃棄量の差に比例する罰金を払う。(ii)ばれずに済んだ場合は、企業は嘘の廃棄量に比例する罰金額を当局に、賄賂を監査官に払い、監査官は嘘の廃棄量に比例する報酬を当局から、賄賂を企業からもらう。

以上は完備情報動学ゲームになっているので、部分ゲーム完全均衡を求める。

当局の定める罰金額と報酬額に依存して均衡は変化するのだが、
(命題1)腐敗に手を染める方が企業と監査官にとって得な場合、罰金額を増やすと、監査官の努力水準が下がり、廃棄量は減るかどうかわからない。監査官への報酬額を増やすと、監査官の努力水準がどうなるかわからないが、廃棄量は必ず減る。
(命題2)腐敗するのが企業と監査官にとって得じゃなくなるように罰金と報酬を設定し、社会厚生を増加させることができる。

ただし、監査官が「廃棄量がわからない」と報告した場合にも、監査官が嘘ついてるかもしれないから、第三者による真の廃棄量の報告があれば罰金を科すことにすると腐敗を根絶することが必ずしも社会厚生の増加に繋がらなくなる。

Okada (2001)

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/takakofg/okada.pdf
この論文はmimeoに相当すると思うが、
Social Development Promoted by Cooperation: A Simple Game Model
というタイトルで、
This paper presents a simple game theoretic model of development with population growth, based on the idea that the engine of development is cooperation organized by self-interested individuals...
とのこと。

ちょっと雑感をメモ。この論文がsimpleなのかといえば一見してそうではないとわかるが、人口成長とゲーム理論を結びつけるのなら、繰り返しゲームの割引率を人口成長と結びつけたりするのはどうだろうか、と提案してみたりするふり。たとえば人口成長大=割引率低=現在協力のインセンティブ大、人口縮小=割引率高=裏切りのインセンティブ大、みたいな。したがって、馴れ合いがうまくいっていた日本経済は停滞に差し掛かって馴れ合いが機能しなくなったのだ、と主張してみたり。ま、こんなモデルだったら、東スポにも載らねえよな。

Laffont and Meleu (2001)

引用ルールの違反だとわかりつつも、元記事リンクがめんどくさくなってきた。コピペではなく自分の文章じゃないと駄目というのも著作権法はウルサそうだが、記事下にあるECONOCLASMというラベルにすべて押し込めて、コピペで済ませてしまおう。
Separation of powers and development
Authors: Laffont J.-J.; Meleu M.
Source: Journal of Development Economics, Volume 64, Number 1, February 2001 , pp. 129-145(17)
Publisher: Elsevier
>公共財を生産する独占企業と規制当局がいて、規制当局はこの公共財生産企業の生産費用を補填する。企業の生産技術の効率性を規制当局は知らないという典型的な逆選択モデル。効率的な企業は情報レントと呼ばれる超過利潤を得ることが出来る。

ここまでは契約理論の教科書に出てくる普通のお話。

ここで情報の非対称性を緩和するために監査官を導入する。監査官は企業の本当の生産効率性を一定の確率で知ることができる。この確率の大きさが監査技術の水準。しかしこの監査官は本当の効率性を知ってもそれを規制当局に対し隠すことで、
効率的な企業の情報レントを着服することができる。(交渉力原理によって企業の取り分はゼロになる。)これを防ぐために規制当局は監査官に一定額の報酬を与える。報酬額が大きいほど社会的厚生は下がる。報酬の財源としての徴税は厚生損失を生じさせるから。

ここまではLaffont and N'Guessan(1999JDE)とほぼ同じ。

ここで監査官を二人にする(権力分離)。すると互いに牽制し合うので、腐敗防止のために必要な報酬額が監査官一人のときより少なくて済む。故に、権力分離によって社会厚生は増加する。

この権力分離による社会厚生の増加幅が途上国の方が大きいというのがLaffont and Meleu(2001JDE)の第一の結論。ここで途上国とは、
i)徴税による厚生損失が大きい
ii)生産技術が効率的であるか否かのギャップが大きい
iii)腐敗の取引費用(監査官の倫理感、腐敗摘発の厳しさなど)が低い
iv)監査技術の水準が低い

しかし二人の監査官が協力して二人とも嘘をつく可能性がある。このことと、監査官を雇うのに必要な費用を考慮に入れると、権力分離の実行コストは途上国の方が大きいという第二の結論が出てくる。

つまり、途上国では権力分離が望ましいとは限らないのだ。

TOEFL Writing

ECONOCLASMから。
http://www.howtoeigo.net/twe.html

TOEFLライティング・セクション
1、利用状況
2、問題構成
3、概要
4、対策 ネイティブにきくTWE満点答案
5、まとめ

Narayan and Pritchett (1997)

Narayan, D. and L. Pritchett (1997): “Cents and Sociability:
Household Income and Social Capital in Rural Tanzania” World
Bank working paper
http://www2.diary.ne.jp/user/70831/
ソーシャル・キャピタル調査の概要
http://e-lib.lib.musashi.ac.jp/2006/Elib/S6/007/004.html
タンザニアの農村で、各個人が参加しているこういうグループの数の村平均値が高いと、農薬や肥料を使って農作業をする確率が高くなり、結果として各家計の消費水準が高くなる、ということ。これは明らかに見ず知らずの人への信頼でもないし、長期的人間関係による協力とも違う。

Laffont and N'Guessan(1999)

http://www2.diary.ne.jp/user/70831/
どうやってリンクを貼ればいいのかわからないのだが、元記事はさるさる日記のトップで検索をすれば辿りつく。こういった埋没した記事を掘り起こして、内容をメモしていく。そうすることで、このブログでキーワード検索すれば、気になるトピックをズラリと表示できるのではないか、という試み。

Competition and corruption in an agency relationship
Authors: Laffont J.-J.1; N'Guessan T.
Source: Journal of Development Economics, Volume 60, Number 2, December 1999 , pp. 271-295(25)
Publisher: Elsevier

要旨は、経済環境が競争的になると官僚汚職が増えるというもの。

Varian (1997)

How to Build an Economic Model in Your Spare Time
Journal article by Hal R. Varian; American Economist, Vol. 41, 1997
http://people.ischool.berkeley.edu/~hal/Papers/how.pdf

http://www2.diary.ne.jp/search.cgi?user=70831&cmd=show&num=2001122521009355106&log=2007210609&word=Giving%20a%20seminar

Introduction では結論とその重要性を手短に話して、さっさと本題に入れ。どうせ聞き手が覚えているのは最初の20分だけだから。メインの結論の説明を具体的にわかりやすくすることで、聞き手の信頼を勝ち取れ。

発表中に質問された時、答えられる質問ならすぐ答える。答えられない質問なら、「いい質問だ。セミナーの最後に答えます」と言って逃げる。そうすることで、聞き手の信頼を維持する。すると、より複雑な内容に話題が移っても、聞き手は信頼してくれているので、何を言っても信じてくれる。

最後に、conclusion として聞き手に覚えて帰って欲しいことを繰り返す。

他にも単純なモデルから研究を始めるべし、とか書いているらしい。

2010/01/18

Inada (1963)

Inada, Ken-Ichi 1963. "On a Two-Sector Model of Economic Growth: Comments and a Generalization," The Review of Economic Studies, 30(2): 119-127

いまさらながら数理経済学における日本人の貢献を認識。
wikipediaによれば、

The six conditions are:

i)the value of the function at 0 is 0,
ii)the function is continuously differentiable,
iii)the function is strictly increasing in x,
iv)the derivative of the function is decreasing (thus the function is concave),
v)the limit of the derivative towards 0 is positive infinity,
vi)the limit of the derivative towards positive infinity is 0.

最適解の十分条件であるTVCを満たすような最適解候補を選ぶ際に、Inada条件を使うということなのだろう。うん。いまInada条件の(vi)が欠けている状態でTVCを満足するように選べなくて困っている。

2010/01/17

Kamihigashi (2002)

http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=269835


日本語訳
http://www.rieb.kobe-u.ac.jp/academic/ra/dp/Japanese/dpJ45.pdf

今さらながらTVCについて確認。割引率と効用関数の一階微分はわかるのだが、資本を掛ける理由がわからないのだ。

2010/01/10

Kiyotaki-Moore

Kiyotaki-Moore ModelのDynare codeを検索したら簡単に見つかった。

当該論文のfig 3.と同じ図を導いている。
http://www.dynare.org/phpBB3/viewtopic.php?f=2&t=2238

追記。matlabコードも見つかった。
http://ideas.repec.org/c/dge/qmrbcd/113.html

Krueger et al. (2010)

Dirk Krueger & Fabrizio Perri & Luigi Pistaferri & Giovanni L. Violante, 2010. "Cross Sectional Facts for Macroeconomists," Review of Economic Dynamics, Elsevier for the Society for Economic Dynamics, vol. 13(1), pages 1-14, January.

良いサイトを見つけた。
http://unrepresentativeagent.blogspot.com/2009/12/cross-sectional-facts-for-macro.html

賃金格差
メキシコ・ロシア>アメリカ・カナダ>英国>欧州

労働所得(賃金×労働時間)の格差>賃金格差
政府による所得再配分は全ての国で所得格差を縮小させる働きを持っているが、縮小の程度は国によって異なる。

可処分所得の格差>消費の格差
可処分所得格差と消費格差の差は、所得が高いグループほど小さい。

etc....

2010/01/09

Takarada (2003)

http://www9.plala.or.jp/yudai618/research/021/BJSM37416.pdf

Evaluation of muscle damage after a rugby match
with special reference to tackle plays
Y Takarada
Br. J. Sports Med. 2003;37;416-419
doi:10.1136/bjsm.37.5.416

試合によって大きく筋肉損傷を起こし、さらにそれはタックル数に大きく依存している。

2010/01/07

なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか

http://ymatsuo.com/papers/neru.pdf

完全にウソ論文だった。騙された・・・。

2010/01/03

Kiva Japan

いまやっている被験バイトの謝礼金入ったら、やってみる。

http://kivajapan.jp/

2005年10月、マット・フラネリー、ジェシカ・フラネリー夫妻により設立されたマイクロファイナンス機関です。
自分の仕事のために資金を必要としている、主に発展途上国の小規模事業者に、個人が貸し付けを行うための仕組みを提供しています。
一回きりで相手の顔も見えない「寄付」ではなく、顔の見える「投資」により持続的に小規模事業者たちを支え、自分の出した資金がどのように使われ、返済されるかが見えるところが最大の特徴です。
貸し付けは、インターネットから誰でも気軽に行えます。
他の特徴としては、
25$からの少額融資
高い返済率(2009年1月の段階で、約97%)
貸し手への返済金に利子はつかない
等があります。