2009/04/30

平等ゲーム

桂望実「平等ゲーム」幻冬舎。

かつて3組の夫婦が穏やかな気候の瀬戸内海にある穏やかな島にたどり着き、平等を実現する島を創設した。鷹の島では日本の「リベラル」たちが望むような理想像が制度化されていた。職業は一定期間ごとに無作為に割り振られ、島の決め事はすべて住民投票で決定された。

生まれたときから鷹の島に住む主人公は、鷹の島の新規住人を選別する勧誘係の任務に就いた。そこでは本土の人間が鷹の島の雰囲気に合うか判断する。主人公は島の外との人間と交流することで、潜在的に備わっていた絵描きの才能と、それまで抱くことのなかった負の感情を知る。様々な人との交流や絵描きを通じて、感情の表現という観点で世界を見つめ直す。くやしいという気持ち、他人よりスポットライトに当たりたいという気持ちを、「いいひと」の主人公は初めて知ることとなった。

一方で、一見平等な島に汚職や事なかれ主義が蔓延していることを耳にする。平等を追求するはずの問題点の指摘が、島の平穏を乱すものとされていた。主人公は本来の島を取り戻すべきだとして、監視委員の設立を提唱する。ところが、主人公の提唱は平穏を乱すものとされ、否決されるとともに島からの追放命令が下される。

行き場を失った主人公は、かつて勧誘調査で乗り込んだものの絵描きを頼まれることとなったクルーズ船で黄昏れる。クルーズ船の人々と二度目の交流を経て、監視制度を徹底するよりも人間のありのままを認めるほうが伸び伸びできることを知る。

そして仲良くなった乗務員に新しい島の設立を提案される。瀬戸内海の島はまだ沢山ある。鷹の島を卒業した祝いということでシャンパンを開けて、話はおしまい。

2009/04/26

Scharmer (2009)

Scharmer, C. Otto, Theory U: Leading from the Future as It Emerges : The Social Technology of Presencing (Bk Business).

U理論とはすなわち外から内に情報を入れていって、新しい内から外に情報を出していくイメージらしい。まず、情報の取り入れ方についても4つのレベルがある。(1)情報を受信して、(2)事実を認識し、(3)感情移入して、(4)自分自身が変わるという4段階らしい。集団がまるで1つの生き物のようになるためには、(4)の要素が重要になるのだろう。

個々人が情報を取り入れて、それを活かすときU字型のプロセスになる。(1)耳を傾け、(2)心をオープンにして観察し、(3)不可欠でない価値観を手放し、(4)新しい価値観の型を共同作成し、(5)新しい価値観を社会に埋め込む。

では組織のリーダーはどうすべきか。(1)コミュニティとしての場を提供し、(2)心をオープンにして観察し、(3)心の底から感じ取り、(4)心の中で自分とつながり、(5)意思を動かし、(6)原型を作り、(7)奏でる云々。

要約
http://change-agent.jp/news/Addresing_the_Blind_Spot_of_Our_Time.pdf

2009/04/24

ティロール(2007)

ジャン・ティロール(2007)「国際金融危機の経済学」北村行伸、谷本和代訳、東洋経済新報社。

アジア通貨危機とIMFの荒治療に関するコンセンサス
-弱い通貨国が対外債務を抱えすぎない。
-短期借りより長期投資の呼び込みが望ましい。
-投資上の制度に国際基準を適用して投資家の急激な逃避を防ぐ。
-国際基準における裁量余地が高リスクを生んでいる。
-国家の金融状態の透明化が望ましい。
-金融危機が発生したとき投資判断を誤った投資家もこれを負担すべきである。
-固定為替相場制は危機に脆弱である。

Dual-Agency Problem
-投資家の収益を確約するのは、国と企業の両方である。
-国が国内投資家の保護に走るとき、外国投資家と企業の契約に外部性が存在する。
-外国投資家は国と契約を結べない。

Common-Agency Problem
-借り手が複数の投資家から借り入れているとき、ひとつひとつの契約が他の契約の外部性となる。

Tirole (2003),AER

まとめ
IMFが何をやるかはっきりしていないし、いままでを見ても成功を事前に導くというよりは失敗の事後的処理をしている。失敗について具体的に分析すべきである。金融危機の原因としては、政府が外国投資家に影響を与えるにも関わらず、その間に契約がなかったからであろう。したがって、外国投資家の代表としてIMFが債務国を監視すべきである。IMFはLLR機能よりも、危機管理機能が重視されるべきである。IMFは危機に対応できるほどのポケットマネーを持っていない。また、アジア危機のときの政策は、外国投資家の信頼という観点では、間違っている可能性が高い。

矢部(2005)

矢部正秋(2005)「弁護士の仕事術・論理術」成美文庫。

-ヘーゲル「ミネルヴァのふくろうは黄昏とともに飛び始める」

-事実と意見を混ぜない、混ぜさせない。
-支配可能の問題は解決し、支配不能の問題は諦める。

-権威に心酔しない。
-具体策を最後まで考え出して並べる。
-メモを効率的にとる。
-(1)相手に理解可能(2)主張が正確に伝わる(3)最後まで飽きない
-オッカムの剃刀で余分を削ぎ落とす。

-サルトル「地獄とは他人である」
-離見の見
-外見から中身が推測される

-使える人とは繋がっておく。足をひっぱる人とは距離をおく。
-ショーペンハウアー「若いときに輝かしく見えた人生も、老年に至れば結局は失望の連続であることがわかる。」
-ショーペンハウアー「誰でも精神的に貧弱で何事によらず下等な人間であるほど、それだけ社交的であることが知られるであろう。」

2009/04/22

Zollo and Winter (2002)

Zollo, Maurizio and Sidney G. Winter (2002) "Deliberate Learning and the Evolution of Dynamic Capabilities," Organization Science, Vol. 13, No. 3, May–June 2002, pp. 339–351.

Dynamic Capabilityとは、業務ルーチンの改善をするような学習可能で堅固な行動指針である。この変化する能力は、知識の改廃を通じた経験蓄積の共進化から発生すると考える。本論文では、このような業務ルーチンの改善はどのようなメカニズムなのか分析している。分析に際して、業務ルーチンの改善を3層に分けている。上の層から下の層に影響が及ぶ。

第1層:学習メカニズム(経験の蓄積、知識の発信、知識のコード化)
第2層:変化する能力(プロセスのR&D、構造改革・再設計、人事の調整)
第3層:業務ルーチンの進化

第1層における学習メカニズムは以下のようになっている。

Step 0:サイクルの外にある知識の蓄積とフィードバック→Step 1へ
Step 1:知識の取り込みや組み換えによる生成的変化。→Step 2へ
Step 2:評価づけや権威づけによる内部淘汰。→Step 3へ
Step 3:問題解決に必要な先鋭された情報の流布。→Step 4へ
Step 4:ルール化や習慣化による情報の定着。→Step 1へ

さて、本論文では学習メカニズムを学習への投資という観点でとらえなおす。学習メカニズムに対しては環境条件や組織特性のほかに職務特性が挙げられる。職務特性からDynamic Capabilityへの影響としては3つの仮説が提示される。

1.経験頻度が低いほど改善度が高い。
 経験頻度が高いほど学習メカニズムへの悪影響が与えられるはずである。第一に、個々人の記憶への影響である。頻度が高いほどコツをつかんでくる。個々人は過去の経験を生かすからである。ただ、そのコツは職務特有のものとして限定されてしまう。第二に、コーディネーションへの影響である。経験頻度が高いほど交流に割く時間が減らざるをえない。交流による知識共有ができなくなる。第三に、機会費用である。仕事の回転が早い場合、情報の発信や共有をしているよりも、いつも通り仕事に取り組んだほうが効率がよい。

2.職務経験の異質性が高いほど改善度が高い。
 個々人は過去の経験を生かそうとするので、異質の職務を担っているならば、異質の職務の経験さえ生かそうとするはずである。異質の職務経験は効率性の低下を招くとする先行研究もあるが、筆者の意見としてはその逆である。

3.職務内容と成果の間の因果関係が曖昧なほど改善度が高い。
 意思決定や行動とその結果の間における因果関係の明確性やサブタスクからの刺激性が学習メカニズムに何らかの影響を与える可能性がある。

以上から、知識のコード化は、職務の回転頻度や同質性を減ずることによる専門家の意見の蓄積によって、より優れたメカニズムに変貌する。うまくいく知識のコード化マニュアルは4原則にまとめられる。

1.コード化はノウハウとノウホワイの発展や伝達を主眼とすべきである。
2.学習サイクルの適切な時にコード化は発揮されるべきである。
3.コード化された知識は激しく同意されなければならない。
4.コード化がうまくいくような構造もまた必要である。

Rumelt (1982)

Rumelt, Richard P. (1982) "Diversification Strategy and Profitability," Strategic Management Journal, Vol. 3, No. 4, pp. 359-369.

多角化戦略の理由付けとしては、範囲の経済、リスク分散、特殊な生産要素の存在が挙げられる。多角化戦略のカテゴリーと収益の関係を実証分析する。多角化戦略のカテゴリーとして事業単位の客観的な比率により以下の7つに分類する。
SB: Single Business
DV:Dominant Vertical
DC: Dominant constrained
DLU: Dominant Linked-Unrelated
RC: Related Constrained
RL: Related Linked
UB: Unrelated Business
 第二次世界大戦後の25年間、アメリカの大企業は多角化を進める傾向が強い。SBは一貫して減少する一方、RLやUBは急速に伸びている。投資収益率については、SBはUBと比べて有意に大きい。これは専門化と市場シェア、関連性と特殊性が関係している。資本収益率についてはDVが低く、RCが高い。これは戦略の効果より産業効果が貢献していた。

Diamond and Dybvig (1983)

Diamond, Douglas W. and Philip H. Dybvig (1983) "Bank Runs, Deposit Insurance, and Liquidity," JPE, pp. 401-419.

T=0,1,2の三期間を考える。T=0からT=1までは資産の貯蔵技術がなく、T=1からT=2までは資産が貯蔵できる。そのため、個人は次のような性質の特殊証券を購入する。
T=0にて価格1である。
T=1にて価格1である。
T=2にて価格R(>1)である。
各個人はT=0のとき資産1を有しており、全資産を特殊証券に投じる。T=1にて各個人はType1とType2に区別され、特殊証券を資産に戻すか、特殊証券として保有し続けるか選択できる。Type1はT=1における消費に関心があり、Type2はT=2における消費に関心がある。Type-tがT期において償還する特殊証券の総額をと表わそう。貯蔵技術の仮定からType2のT=2における消費量はとなるので、リスク回避的な効用関数と割引率を考慮して次のように書ける。

ナッシュ均衡は


ところで、いまType1とType2の比をt:1-tであるとしよう。このとき、最適解は


要するに、このままでは最適解が達成されない。

ここで銀行の登場である。T=1で取り出すとき1より大きくし、T=2で取り出すときRより小さくするのである。ところがT=1のとき銀行の資産は1なので、想定以上に償還請求が行なわれると「銀行取付」となる。銀行取付が考えられるとき(その行為こそが銀行取付を引き起こすとしても)預金引き出しが最適反応となる。そこで、償還に上限を設けることでType1だけが償還するようにすれば最適解が得られる。
ここまでの話は t が一定値の場合である。

さて t が確率変数で、銀行はその t の値を知りえないという情報の非対称性を仮定する。このとき最適解もまた t に依存するので、銀行の機能で最適解を導くことは難しい。そこで政府が事後的に情報を得て、公的資本注入と税で個人資産を調整することを考える。うまく税率を設定すれば、たしかに最適解を達成できる。


コーディネーションの失敗
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/46da2ef9e2ab23b0272017150acfd5d1
[経済]Diamond-Dybvigの銀行取付モデルをめぐるメモ
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081009

2009/04/18

Modigliani (1961)

Modigliani, F. (1961) "Long-Run Implications of Alternative Fiscal Policies and the Burden of the National Debt," Economic Journal, Vol. 71, No. 284 (Dec., 1961), pp. 730-755.

まず、新古典派とポストケインジアンにおける公債負担論を鳥瞰している。公債負担はないとする立場では、外債によってしか、現代世代に利益をもたらし、将来世代に負担を強要できないとする。つまり、内債は将来世代に負担を移転しないとしている。この主張は200年もの間、主張されてきたことであり、これらにLernerの機能的財政論が加わる。
 一方、公債負担があるとする立場では、内債でも外債でも将来世代に負担を移転させると主張する。もし税を財源とするならば、公共事業を負担するのはそのとき生まれている世代である。しかし、国債を財源としたとき、公共事業を負担するのは国債を償還する世代である。したがって、将来世代の税負担を財源に現代世代の公共事業を行なうのである。

 可処分所得Yを完全雇用所得X(定数)と税負担Tの差、民間投資Iを貯蓄Sと国債Dの差、貯蓄Sを可処分所得Yと消費Cの差と定義し、ケインズ型の消費関数を仮定する。このとき、CとYを消去すると、IとTとDの制約式ができる。

 右辺は定数であるので、財源として税または国債を選択したときに民間投資が減少するというのがModiglianiの主張である。税には1以下の定数がかかっているので、民間投資の減少が小さくすむので、国債よりも税を財源としたほうがよいとしている。
 ただし、Modiglianiの議論は政府支出Gによる便益はない上に、完全雇用を仮定している。

Lerner (1961)

Lerner, Abba P. (1961) "The Burden of Debt," Review of Economics and Statistics, Vol. 43, No. 2 (May, 1961), pp. 139-141.

他の投資の代わりに行なわれた公共事業が資源を使い果たすことで、民間消費が減ってしまうことを、将来世代の負担とするべきではない。公共資本が将来世代に便益を与えるとも言えるのである。Lernerは機能的財政の主張をしている。失業が発生しているときには財政出動を行ない、インフレが発生しているときには財政を緊縮させる。フィリップス曲線の議論では、失業とインフレはトレードオフの関係にあるので、財政出動によって必要以上に失業を抑えることはしない。

Bowen et al. (1960)

Bowen, William G., Richard G. Davis and David H. Kopf (1960) "The Public Debt: A Burden on Future Generations? ," American Economic Review, Vol. 50, No. 4 (Sep., 1960), pp. 701-706.

この論文は、現存する資源を使い果たす公共事業は内債を通じて将来世代に負担を移転しているという立場である。もし借入金を使うときに諦める民間消費を負担として定義するならば、公共事業が行なわれる時点で既に生まれている世代の負担となる。内債を購入する分、消費量が減少するからである。しかし、借入による公共事業の恩恵を受けた世代が、生涯の間に諦める民間消費を負担として定義するならば、負担を将来世代に移転しており、この主張のほうが正確であるとこの論文は述べている。

2009/04/16

岩本(1996)

岩本康志(1996)「隠れ借金」1996年1月23日~29日付け日本経済新聞朝刊連載『やさしい経済学』

新規国債発行額を抑制するために、一般会計における赤字を他会計から融通によって帳消しをすることがある。第1に、国債整理基金特別会計への定率繰入れの停止である。第2に、一般会計以外で発生した債務である。国鉄清算事業団、交付税及び譲与税配付金特別会計および政府管掌健康保険が相当するとされる。第3に、特別会計からの借り入れである。自動車損害賠償責任再保険からの借り入れする方法や、国民年金、政管健保、厚生年金および雇用保険に繰り入れるべき歳出を将来に先延ばしする方法が用いられるという。以上のような債務残高の抑制努力(いわゆる「隠れ借金」)の影響を受けない公会計として、岩本は国民経済計算と世代会計を挙げている。

中尾(2002)

中尾武彦(2002)「日本の 1990 年代における財政政策の経験-バブル崩壊後の長引く経済低迷の中で-」PRI Discussion Paper Series No. 02A-11。

1992年8月以来12回の補正予算によって経済対策が講じられたとした上で、真水部分は1993年9月の33%を例外として、55%から78%の範囲にあるので十分に大きな規模であったと強調している。

Posen (1998)

Posen, Adam (1998) "Restoring Japan's Economic Growth."

Posenは、公共事業が一般に評価されるほどには積極的だったわけではないと論ずる。1992年から1997年までに投じられた中央政府による公共投資は23兆円に過ぎず、景気回復を意図した財政政策としてはむしろ不足していると評価している。それは、一般に中央政府が発表する経済対策パッケージは誇大に宣伝されているが、そのすべてが実際にGDPを直接引き上げる効果を持つわけではないからである。これは事業規模と真水の定義の違いからくるものである。真水とは、公共事業費のうち土地代等、国内総生産に反映されない支出を除いた額のことである。たとえば2008年の追加経済対策(1次補正)では事業規模にして約26兆9000億円であるものの、大半を構成する中小企業支援は融資・保証枠の拡大であり、経済対策の真水は5兆円程度1とされる。その上で、1995年における財政政策は比較的大規模で、経済成長に貢献したと主張する。1990年代の長期停滞は財政政策、金融改革および金融政策が阻害要因であったというのが、Posenの立場である。

2009/04/15

土居(2006)

土居丈朗(2006)「政府債務の持続可能性を担保する今後の財政運営のあり方に関するシミュレーション分析―Broda and Weinstein論文の再検証―」RIETI Discussion Paper Series 06-J-0232。

Broda and Weinstein (2004)で使用したFM論文の人口推移や、政府債務のネッティングが楽観的すぎる点や当該論文における検証期間以後(2002年度以降)の財政悪化を含めていない点を批判し、国立社会保障・人口問題研究所のデータを用いて再検証した。その結果、BW論文よりも消費税を約2%高くしなければならず、さらに増税を先送りすることで消費税をさらに約2%高くしなければならないことがわかった。すなわち、現在において増税を嫌うことは将来の大増税に繋がることが示唆される。また、歳出面については、とくに高齢者向け支出の伸びを抑えることによって、最適税率をもっとも効率的に低く抑えることができることが示された。

真渕(1994)

真渕勝(1994)『大蔵省統制の政治経済学』中央公論社(中公叢書)、1994年。

政治学的には、多元主義モデルやゴミ箱モデルを脱して、新制度論を輸入したことが画期的であるようだ。

 社会保障費公共事業費が赤字の原因であるという主張は1970年代における財政危機においても主張されてきた。大平内閣のときに財政危機は明白な事実であったようである。田中内閣は革新化した都市住民層の歓心を買うため社会保障費の拡大と大幅な減税を行なった。しかし、立花隆氏らによる政治姿勢の追求から田中角栄氏は失脚した。失った自由民主党の信頼を取り戻すべく、三木内閣は社会保障費と公共事業費の双方を増額した。福田内閣は機関車論に代表されるような内需拡大による日本の国際的立場の向上を達成するために公共事業を拡大した。こういった政治的背景から、財政赤字の原因を社会保障関係費の伸びに求める福祉犯人説と、公共事業関係費の伸びに求める公共事業犯人説に分類されるが、土光臨調の緊急答申はこの双方を原因とした。

一般的な財政赤字の弊害は大きく4つ挙げられる。

第1に、公債は負担を現代世代から将来世代に転嫁させるものであり、公債の増加は世代間の不公平を生む点である。

第2に、公的部門の拡大が物価上昇クラウディングアウトを生む点である。理論上では、これにより民間部門の資本形成を阻害するとされるが、実際には低金利かつ低インフレの時代が続いており、資本形成に直接の悪影響を及ぼしている可能性は低い。もっとも、低金利でもクラウディングアウトが発生しうるという立場も可能である。

第3に、公共部門の過剰な肥大化を生む点である。これは財政赤字の恒常化が財政錯覚を発生させ、負担感を希薄化させるという意味である。しかし、国債依存度の高まりが危機感を生み、逆に公共部門の縮小を行なうようになると真渕は考えている。

第4に、国債費の増大による財源不足が裁量的な財政運営を圧迫し、財政の硬直化を生む点である。これに関して、真渕はドーマー条件を挙げつつ、この条件は非現実的な仮定であって、現実的には国債費が高い構成比となるまで増大していることを以て、財政の硬直化を肯定している。以上は1970年代における財政危機における議論であり、真渕によれば、これらは旧大蔵省の公式見解でもあった。

大鹿・柴崎(2008)

大鹿行宏、柴崎澄哉 (2008)「イタリア中央銀行主催 第10回財政政策ワークショップ~テーマ:財政の持続可能性~」『ファイナンス』通巻511号、2008年6月、26-39ページ。

1990年以降の中央政府の債務残高累積の要因の39%が歳出増加、36%が税収の落ち込みとしている。具体的には、1990年度から2008年度の普通国債残高は約390兆円増加し、そのうち歳出の増加要因が約150兆円、税収およびその他収入の減少要因が約140兆円、1990年度の収支差分が約50兆円、国鉄等債務承継や不良債権処理等が約50兆円の貢献をしており、歳出に関しては公共事業関係費が約60兆円、社会保障関係費が約110兆円となっている。

2009/04/13

濱田(2009)

2009年4月13日入学式、濱田純一総長式辞

激動の時代の中、既存の共通の価値観が瓦解したので、新たな共通の価値観を創出しなければならない。権威によって作るわけではなく、「知の公共性」から作りなさい。総合大学であるゆえに直面している課題のほとんどを研究しているといってよい。大学院の研究では「わくわく感」が必要である。研究の「わくわく感」は「違和感」から始まる。違和感から初めて貪欲に色々な知識を吸収し、云々すると云々なってよい。大学院時代に制度的自由を研究したが、云々や云々を学んで、生命の躍動を云々したのだが、云々しているうちに、実は哲学の世界ではあたりまえ云々だったのである。

内容が難しくて理解できませんな。

中根(2009)

2009年4月13日入学式、中根千枝名誉教授祝辞

さすがにうろ覚え。

-学部では受身であったが、院では自発的な勉強が必要である。
-偏見の少ない20代だからこそ、貪欲に内外の研究を渉猟せよ。
-語学は必要であるから、短期で習熟すべきである。
-文学や社会科学の研究者が英語論文を書けないのでダメ。
-女性の活躍は制度というよりは気概で左右される。

2009/04/12

ノーリア・バークリー(2002)

ニティン・ノーリア、ジェームス・D・バークリー(2002)「責任のあるマネジャーに何が起きたのか」『リーダーシップ 』ダイヤモンド社。

プラグマティック・マネジメントとは、理論的なマネジメント論をいかに実践するかという話。
(1)事情を考慮する
(2)デッドラインまでに間に合わせる
(3)結果をこだわる
(4)不確実性を恐れない

マネジメントのアイデアは次のようでなければならない。
-注意深い熟慮の後にのみ採用されること
-不要なキャッチフレーズや決まり文句が排除されていること
-実際の結果で判断されること
-いま、この場に密接に結びついていること
-真の問題に根ざしていること
-特定の人や状況に合わせて作り変えられていること
-変化している、また先の見えない状況に適合可能であること
-積極的な実験を通して試験され、磨き上げられていること
-役に立たなくなったときには、廃棄されること

個人的には、特に最後の廃棄が重要だと思う。

ハイフェッツ・ローリー(2002)

ロナルド・A・ハイフェッツ、ドナルド・L・ローリー(2002)「リーダーシップの新しい使命」『リーダーシップ 』ダイヤモンド社。

競争力と挑戦に対するプレッシャーの両立にあたって、リーダーが注意しなければならないのは次の3点である。
(1)人々がセルフ・マネジメントできる環境を作り出さなければならない。
(2)方向性を示し、新しい役割と責任を与え、衝突をうまく調整し、規範を形成しなければならない。
(3)リーダーとしての存在感を保つとともに、その苦痛に対して平然と振舞わなければならない。

ヤン・カールソンによれば、リーダーシップの重要な役割のひとつは「メンバー同士が耳を傾けあい、相互に学習しあうようにすること」だという。互いに利用しあって問題解決を導く組織文化を定着させるのである。さらにカールソンは「各々のメンバーが問題を発見することだ。もし問題を認識し、自分自身でそれを解決しようとしなければ、成功はおぼつかない。」と語っている。トップがビジョンを掲げ、それで組織が統一されるというリーダーシップは破綻してきている。ここにボトムアップのリーダーシップが求められる。試行錯誤しながら戦略を立案、実行していくようにしなければならない。カールソンは「リーダーが果たすべき最も重要な役割は、人に自信を教え込むことだ。人はあえて危険を冒し、その責任を負わなくてはいけない。リーダーは、彼らが失敗したときにサポートし、バックアップしてあげなくてはならない。」と述べている。

ティール(2002)

トーマス・ティール(2002)「マネジメントの人間的側面」『リーダーシップ 』ダイヤモンド社。

優れたマネージャー像は、(1)非常に優秀な超人と(2)マネジメントに必要とされている能力が欠けているにも関わらず尊敬に値する素晴らしいマネージャーに分類される。前者は珍種なので、後者に注目する。後者のようなマネージャーがなかなか存在しないのはテクニックに走りすぎて人格面がネグられるからだ。人格面については、どのように学んでいくべきだろうか。

素晴らしいマネージャーは、イマジネーションとインテグリティに富む。要するに、先見性と社会的責任感というわけである。それでいて、人をワクワクさせてやる気を促す能力、周りの人々に自分たちの味方だと思わせるカリスマ的ヒーロー性がある。

アインシュタインと世界一美しい方程式

素晴らしい。天才は、常識にとらわれない。直感を信じる。好きなこと以外は捨てきる。点と点を結びつける。正しさを確かめる。

2009/04/10

コーポレーション

第4回VCASI公開フォーラム 『コーポレーション』の動画が用意できたようだ。
(1)認知科学の成果を取り入れたコーポレーション概念の理論的検討
(2)日本・西欧・イスラーム・中国における社団組織の比較分析
(3) (1)(2)を踏まえたコーポレート・ガバナンスや雇用問題の検討

植田一博准教授の「消費者による価値転換」の話は示唆に富む。最初に事務上のトラブルがあったときに「dual-taskは難しいということが認知科学では知られている」と冗談を挟むが、主題はDemand-side Innovationという概念について。つまり、製品を世の中に出したとき、想定外の使用が生まれることがあり、それによって新しい分野が開拓されるということである。たとえばNTTの携帯電話は軽量化や小型化を追求するコンセプトを最初は持っていた。ところが、博報堂の調査によれば昔は数字しか送信できなかったポケベルがチーマーによって使われ、4649などと語呂合わせで使われていた。そこから文字通信に発展したのがJフォンのショートメールである。あるいは、ホンダが欧州市場に参入するときに、車を家族での買い物に使うライフスタイルを見つけ、車内空間を広くするというコンセプトの「フィット」が生まれた。

そこで、イノベーター理論の各世代とイノベーションの関係を調べた。博報堂の社員などは革新的に飛びつくのでinnovatorに分類されるが、上記の意味でのDemand-side Innovationは起こしていない。むしろ、early adopterやearly majorityから想定外の商品使用が生まれている。どうしてinnovatorからアイデアが出てこないのか。普及がされているほど情報が加工されているという点で、(1)加工されていない情報を得るから(2)得る情報が多すぎるから(3)立場が専門的すぎるからという3点で分析した。どうやら3番目の要素が重要のように思われた。マイケル・ポーターのcompetitionの時代からco-creationの時代である云々。

三品(2004)

三品和広(2004)『戦略不全の論理―慢性的な低収益の病からどう抜け出すか』東洋経済新報社。第一章から第三章までのコピーをもらったので、第二章まで読んでみる。第三章はコマツとキャタピラーのケース。

戦略は「目先の損得にとらわれることなく考え抜いた意思決定」でなければならず、長期収益の最大化に直接関与する営為を指す。経営戦略の歴史は浅く、Ansoff (1965)やChandler (1962)に始まるにすぎない。アプローチとしては帰納法と演繹法が考えられる。

帰納法として、Peters and Waterman (1982)が優良企業43社を6つ業績指標と革新性に関する評判で抽出し、顧客密着の姿勢や本業への傾斜など8項目の特徴をエクセレント・カンパニーの条件とした。しかし、Collins and Porras (1994)で大半が入れ替わるのみならず、優良企業が凋落する例すらあり、帰納法による戦略論の構築は何らかの過ちを含んでいる。

演繹法としてはマイケル・ポーターと伊丹敬之が日米の代表である。企業収益の最大要因を、前者は産業構造に求め、後者は見えざる資産の蓄積に見出した。しかし、演繹的であるはずのミクロ経済学では静学的に「儲けすぎ」が死荷重となる意味で経営学と対立点があるので整合性が悪い。動学化することで両者は整合性を保てるはず。また、演繹法の欠点としてはそれが必ずしも「身につく」とは限らない点が挙げられる。
HBSではケース・メソッドを教育の中核とする。経営や戦略を学びたければ、擬似的な体験学習こそが王道だからである。

Milgrom and Roberts (1992)の概念を借りれば、日本企業は「人を動かすうえで何が利己心に取って代わるのか」というモチベーション問題、「利害の一致しない構成員をいかに動機づけ、共通目標に導くのか」というコーディネーション問題を二重に抱えている。三品(1997)のように、日本型企業モデルとアメリカ型企業は比較研究として格好の材料であり、それはそれぞれの企業形態が極大的だからである。日本が二重の課題を抱えるのと同様に、アメリカ企業は絶対的な最高経営者を以下に統制するかというガバナンスの問題が強い。日本企業の売上高営業利益率の推移を見ると、非製造業は低いなりにも堅実に推移(3~4%程度)してきたのに対し、製造業は1960年代の10%前後から1990年代の4%まで下がり続けた。この傾向は円ドルレートの推移とほぼ合致する。円高傾向とグローバルの波に追いつけなかったのである。

2009/04/09

King (2002)

King, Ian (2002) "A Simple Introduction to Dynamic Programming in Macroeconomic Models," mimeo.

予算制約下の効用最大化問題、すなわち、異時点間の制約式が与えられたときの最大化問題を解く。
Step 1:生涯効用関数を期間ごとの効用関数に分解する。
U(x0,x1,..;u0,u1,...)=u0(x0)+u1(x1)+...
制約式はもともと期間ごとに別れている。
Step 2:予算制約式をスカラーごとに分ける。
xがベクトルのときは制約式を要素ごとに分解する。
Step 3:ラグランジアンを定義する。
とくにStep 2の作業によって、ラグランジュ乗数をスカラー(要素の数×期間だけ存在)として扱うことができる。
Step4:解くだけ。
control variableで一階条件を導出して、出てきたラグランジュ乗数をキャンセルする。

ラグランジアンを定義すれば済むだけに見える。ベルマン方程式の意味がわからない。能力不足か。
Case1:有限期間
Backward Inductionで考える。一番最後から初期変数を既知とするときの最大化問題を考える。既知とした初期変数をその前の期の最大化問題で表現する。この繰り返し。
Case2:無限期間
再帰的な関数を定義してCase 1と同じように任意の初期条件を与えても生涯効用関数の最大値を返すような関数を価値関数として定義する。たとえば、

が予算制約付きで与えられたとき、効用関数の総和を価値関数とすれば、割引を考慮した価値関数の差は期間効用関数なので


解き方は3通り。
Method 1:Brute Force Iterations
有限期間のBackward Inductionと同じように、無限期間後のW=0の状態を考えて、右辺の最大化問題を考える。右辺の最大化問題を解いて左辺のWが導出される。これを繰り返して、Wの収束値を求める。
Method 2:Guess and Verify
右辺のWの形を予想する。予想したWを右辺に代入して最大化問題を解く。それによって左辺のWが明らかになるが、最初の予想と合致しているか判断する。
Method 3:Using the Benveniste-Schienkman Formula
これを使うらしい。

成毛(2008)

成毛眞(2008)『本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術』三笠書房。

友人曰く、本を4冊読むときに脳が一番活性化されると品川庄司の品川が言っていたらしい。たしかに本が嫌いだったころは一冊ずつ読むというスタンスであったが、いまは何冊か同時並行である。そこで成毛(2008)なのだが、10冊読むことによってアイデアが浮かびやすくなるらしい。そのためには、奇抜な本を多分野に渡って多読しなければならない。また、本は最後まで読む必要はなく、網羅的内容の本ならば目次を読んで読みたい箇所を数十ページ読めばよいとのことだ。これをヒントにして成毛(2008)も本屋の本棚に戻してしまった。

青木・山形(2009)

青木昌彦、山形浩生(2009)「青木先生、比較制度分析ってなんですか?」『経済セミナー』4・5月号、日本評論社。

「制度」をどうやって変えるか?
2007年ノーベル経済学賞受賞者のレオニド・ハーヴィッツは「制度を変えるためにはintervenerという存在が必要だ。」「intervenerは、単にデザインするだけでなく、そのデザインを実際に実現しうるアセットを持っている人だ。」と言う。また、同じくノーベル経済学賞受賞者のロバート・オーマンは「ナッシュ均衡が成立するには、人々が他の人々の行動のパターンに関してある程度共通の予想を事前に持っていることが、十分条件であるとともにほぼ必要条件にも近い。」と証明している。

比較制度分析の扱う領域
ローレンス・レッシグのように、社会科学上のドメインごとにゲーム構造を考える。ドメイン同士は相互作用があるが、ゲーム理論を使うとうまくいくはず。

制度を共通知識と考えれば、人間行動に規則性が生まれる。共通知識が生まれる理由は認知科学の世界で実験されている。認知という点では、機械に対する人間の優位性として、人的な認知資産が重要になってきている。日本型の企業システムでは会社の中で様々な形の情報共有がなされていて、社外との情報共有は少なかったと思われる。会社間の情報共有という意味で、通産省が役割を担ったとするのが一般的見解であるが、実は大学だったのではないか。大学の先生は卒業生を企業に輩出し、卒業生は大学を訪ねてくる。そこで情報共有が行なわれていたのではないか。

比較制度分析のこれから
社会主義国の市場経済化や金融のグローバル化を経て、金融危機を迎えた現在では普遍性と多様性の両立が課題となってきている。2011年に北京で行なわれるIEAの世界大会では市場経済の多様性がテーマとなるのではないか。

Kuhn-Tucker条件

不等式制約つきの最適化問題を解く。

Step 1:最大化問題に直す。
最小化問題のときはマイナス符号をつけて最大化問題に変換する。
fとgは一回微分可能。
Step 2:不等式の不等号を揃える。

ちなみにxはスカラーでもベクトルでもよい。
Step 3:正規条件を満たすことを確認する。
領域の境界でが一次独立。
要するに、不等号制約の等号が複数成立する点でナブラgのベクトルに着目。
Step 4:ラグランジアンを定義する。

Step 5:局所的最適解はKuhn-Tucker条件を満たす。


Step 6:大域的最適解であるかチェックする。
級の関数ならば、Kuhn-Tucker条件を満たすとき局所的最適解である。実数空間上のcompact集合を定義域とするとき最大値を必ず持つことなどを利用して示す。
凹関数ならば、Kuhn-Tucker条件を満たすとき大域的最適解である。

2009/04/04

ラグランジュの未定乗数法

局所最適解は以下を満たす。


証明は
まず陰関数定理を使って、fとgの組み合わせのrankがgの数だけ存在することを示す。
すると、▽fと▽gが一次従属になって、なおかつ▽fの係数はゼロでない。

したがって、gに係数をかけてfに足したものをラグランジアンとすれば、一階条件がゼロのとき、二階条件で極大と極小がわかる。

2009/04/01

フォーカス・ウェットローファー(2002)

チャールズ・M・フォーカス、スージー・ウェットローファー(2002)「高業績CEOが実践する五つの経営スタイル」『リーダーシップ 』ダイヤモンド社。Farkas, Charles M. and Suzy Wetlaufer (1996) "The Ways Chief Executive Officers Lead," HBR, Nov-Dec.

戦略型アプローチ:未来を重視する。
人材型アプローチ:社員ひとりひとりを管理する。
専門知識型アプローチ:知識のチャンピオンになる。
ボックス型アプローチ:正統的なプレッシャーをかける。
変革型アプローチ:現状を覆す。

バダラッコ(2002)

ジョセフ・L・バダラッコ・Jr.(2002)「リーダーとして成長するために」『リーダーシップ 』ダイヤモンド社。Badaracco Jr., Joseph L. (1998) "The Discipline of Building Character" HBR, March-April.

組織における自分をどのように位置づけるか。矛盾に陥ったときにどうするか。

ディファイニング・モーメントへの手引き
(1)個人に対して:私はだれか
-どんな感情や直感が対立しているのか
-対立する責任や価値観のうち、自分の人生や組織に一番深く影響を与えているものは何か。
-抜け目なさと実利追求、発想力と大胆さを、どのように組み合わせれば、自分の信じる正しさを実行に移せるか。
(2)職場のマネジャーに対して;我々は何者か
-この状況に対して強力で説得力のある意見はほかに無いか
-どの視点が戦いに勝ち、他人の行動や考え方に影響を及ぼす可能性が最も高いか。
-自分の意見がグループ内で勝ち残れるように、プロセスを調整してきたか。
(3)エグゼクティブに対して:企業とは何か
-自分のポジション、組織の力と安定を守るためにできることをやりつくしたか。
-社会における役割と利害関係者とのかかわりについて、建設的、大胆、かつ発想豊かに考えたか。
-抜け目なさ、創造性、粘り強さをどのように組み合わせれば、ビジョンは実現するか。

ザレズニック(2002)

アブラハム・ザレズニック(2002)「マネジャーとリーダー:似て非なる役割と成長条件」『リーダーシップ 』ダイヤモンド社。
Zaleznik, Abraham (1977) "Managers and Leaders: Are They Different?" HBR, September-October.
マネジャーリーダー
性格問題解決者心理劇の役者
目標に対する態度非主体的常に能動的
仕事の概念政治バランスを調整して権力を保つ新しい手段を検討する
人間関係子分を連添う集団に対する自己の一体感と孤独感に惹かれる
ウィリアム・ジェームス(1902)『宗教的経験の数々』人生一回型(肯定的人生)
once-born
人生二回型(懐疑的人生)
twice-born
育て方社会化を通じての成長性格的熟達を通じての成長