2009/03/01

TOEIC直前の技術

新TOEICテスト 直前の技術—スコアが上がりやすい順に学ぶ
ブックオフで買ったら旧TOEICテストの技術だったorz

写真描写問題
(a)音声を聞く前に次の問題の写真を見る。
(b)写っていないものは正解の選択肢でふれられない。
(c)部分的に写っている曖昧なものは気にするな。

応答問題
(a)完璧に聞き取らなくても回答可能。
(b)最初の一語(Where, How comeなど)が肝心。
(c)自分の耳を信じる。

会話問題
(a)音声に加えて、質問と選択肢も利用する。
(b)2番目の発言が重要な場合が多い。
(c)職業や場所に関する話に熟知しておく。

読解問題
(a)短い問題から取り組む。
(b)15秒でざっと英文を読み、問題文と選択肢をすべて読んでから、本文で裏付けを探す。
(c)問題の順番と裏付けの順番は同じ。

高橋(2004)

高橋伸夫(2004)『虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ』日経BP社。

Abbeglen (1958)による日本の経営
(a)採用時の選考
終身雇用では採用で失敗できないので、注意深く選考が行なわれる。
(b)給与制度と動機づけ
制度として能率給的だが、実際には勤続年数と入社時の教育程度によって基本給が決まる。
賞与は定期的な賃金制度として運用され、基本給を変えることなしに労働者の要求に応えられる。
(c)階層・キャリア・組織
曖昧な責任、昇進に関係する学閥、OJTによる社内教育が家父長的関係を示している。
(d)外的ショックへのバッファ
臨時工員を採用したり、下請け会社を親会社の工場内で働かせたりする。

Drucker, Peter F. (1971)"What We Can Learn from Japanese Management," Harvard Business Review, March-Aprik, pp. 110-122.
(a)稟議制度は、意思決定まで時間がかかる反面、実行が速い。
(b)終身雇用と年功制度は、従業員の心理的保障と渉外訓練による生産性向上に繋がる。
(c)学閥は、優れた意思疎通によって教育と人事考課が機能するのに効果的である。

W.G.オオウチ(1981)『セオリーZ
タイプJ:終身雇用、遅い人事考課と昇進、非専門的なキャリア・パス、非明示的な管理機構、集団による意思決定、集団責任、人に対する全面的な関わり
タイプA:短期雇用、早い人事考課と昇進、専門的なキャリア・パス、明示的な管理機構、個人責任、人に対する部分的な関わり
タイプZ:IBM, HP, Intelなどの日本的なアメリカ企業の存在

Taylorの科学的管理法
自然的怠業:本能として楽をしたがる
組織的怠業:みんなでサボれば怖くない→科学的管理法

McGregor (1960)のY理論
(a)仕事から満足感を得ることもある。
(b)外的統制がなくとも、自ら統制して、組織目的に向けて努力することもある。
(c)目的の達成が自分の欲求を満足することであるならば、組織目的に向けて努力する。
(d)自ら責任をとることも学習する。
(e)組織的問題の解決は、多くの人にとって可能である。
(f)現代企業のもとでは、知的潜在能力の一部しか発揮されていない。

Vroom, Victor H. (1964) Work and Motivation.
職務に対する不満足が離職や欠勤という行動と結びつくようだが、職務満足と生産性の間には関係が見られない。しかし、生産性向上は達成動機づけによって説明できる可能性がある。

Herzberg,Frederick, Bernard Mausner and Barbara B. Snyderman (1959) The Motivation to Work.
職務満足は職務そのものと関係しているが、職務不満足は環境や条件と関わっている。

Deci, Edward L. (1975) Intrinsic Motivation.
(a)自己決定の感覚が高いほど、職務満足感は高くなる。
(b)活動に従事させるための報酬では自己決定の感覚が弱まり、自己決定的で有能であることを伝えるための報酬では自己決定と有能さの感覚が強まる。
(c)人はチャレンジを求め、乗り越えようとする。

高橋・清水(2000)「『合併後の組織統合』をゲーム理論で解く―経営組織の中の『囚人のジレンマ状況』」中山幹夫他編『ゲーム理論で解く』有斐閣、1-12ページ。
NTTの民営化は新規企業の参入により、労使の対立関係を協調関係へと変えた。

結論
(a)仕事の意味とか長期的目標とかの明示。
(b)終身コミットメントにおけるゼロサムからの脱却。
(c)未来に重きを置いた割引率の設定。

2009/02/26

Fowler and Christakis (2008)

Fowler, James H and Nicholas A Christakis (2008) "Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study," BMJ.

1983年から2003年における被験者4739人のデータを用いて、「幸福」が他人の幸福に左右されるか分析している。幸福を計量するにあたって、「未来に希望を抱いた」「幸せだった」「楽しい生活だった」「他の人と同じぐらいと感じた」という4つのitemを使い、1週間の間にこれらの感情を抱いた頻度を調査した。その結果、人の幸福は伝播することが明らかになった。1.6km以内の近所に住む友人(25%)や兄弟(13%)そして隣人(34%)に影響を与えているが、仕事の同僚には影響がないようである。時間や地理的な距離とともに効果は減衰していた。人々の幸福は、人間関係を持つ他人の幸福に依存している。

関連
伝染する幸せ
AFP通信

Diamond (1965)

Diamond, Peter A. (1965) "National Debt in Neoclassical Growth Model," American Economic Review, Vol. 60, pp. 1126-1150.

小文字は大文字のper capitaを示す。

世代重複モデル

生産部門



消費部門

予算制約式


効用最大化(オイラー方程式)

動学的効率性
f'(k)>n
公債論への含意

経営学のフロンティア

イノベーションの民主化
一橋大学教授・守島基博

グローバル知識経営の探求
慶応義塾大学教授・浅川和宏

組織の〈重さ〉を考える
一橋大学准教授・加藤俊彦

『再成長戦略』構築の条件
学習院大学教授・淺羽茂

『ものづくり経営学』の本質
東京大学教授・藤本隆宏

変革期の『ビジネス・システム』
神戸大学教授・加護野忠男

技術経営の神髄と価値創造
一橋大学教授・延岡健太郎

企業間分業の戦略的マネジメント
京都大学教授・武石彰

『非差異化』時代のマーケティング
早稲田大学教授・恩蔵直人

IT時代の組織と情報戦略
慶応義塾大学教授・国領二郎

消費者心理とブランド戦略
一橋大学准教授・阿久津聡

経営戦略論の系譜と本質
一橋大学教授・沼上幹

2009/02/25

倒産危険度

週刊ダイヤモンド』ダイヤモンド社。

ヒト
  • 社長に経営者としての能力、資質があるか
  • 社長のほかに実権者はいないか
  • 社長のプライベートに問題はないか
  • 社長の健康状態は大丈夫か
  • 社長に肩書きが多く、本業がおろそかになっていないか
  • 後継者は育っているか
  • 社長を支えるブレーンはいるか
  • 幹部社員の退職が相次いでいないか
  • 社内で不祥事が起きていないか
  • 社員の対応、情報開示に問題はないか
  • コンプライアンスは徹底しているか
  • 取引先変更の裏にトラブルはないか


  • モノ
  • 過剰在庫になっていないか
  • 納期を守れているか
  • 類似商品への依存が高くはないか
  • 取引量が急増、急減していないか
  • 返品、クレームの発生が多くないか
  • 主力納入先が変化していないか
  • 取引先の取引先に倒産はないか
  • 仲間取引が急増していないか
  • 資材の調達はスムーズか
  • 扱う商品が増えていないか
  • 価格競争に陥っていないか


  • カネ
  • 収益の現状、動向は順調か
  • 設備投資は分相応であるか
  • 流動負債を流動資産で返済できるか
  • 自己資本比率と固定比率は健全化
  • 売掛金が急増していないか
  • 受取手形が固定化していないか
  • 勘定科目の変動に問題はないか
  • 資金繰りに問題はないか
  • 粉飾決算をしていないか
  • 支払い条件の変更要請がないか
  • 取引銀行が債権を売却していないか
  • メインバンクの変更はないか
  • 多行取引になっていないか
  • 第三者割当増資、転換社債発行の背景に問題はないか
  • 取引先やグループ会社が倒産していないか
  • 税金や社会保険料を滞納していないか
  • 債権が譲渡登記されていないか


  • 不動産・手形
  • 使用している不動産はどうなっているのか
  • 現在の所有者は誰になっているのか
  • 「信託」が登記されていないか
  • 差し押さえ登記はされていないか
  • 抵当権を設定しているのは誰か
  • 登記簿と現地に整合性はあるか
  • 支柱金融へ手形が流失していないか
  • 振出人、裏書人の信用に問題はないか
  • 支払手形は増加していないか
  • 不透明な手形の振り出し(融通手形)はないか
  • 2009/02/23

    数学ガール

    結城浩「数学ガール」ソフトバンククリエイティブ。
    大学生協書籍部に山積みされていたものの、買うのは気が引けたので図書館で予約して借りてみた。読んでみると、高校生の主人公が同級生のミルカさん、後輩のテトラちゃんに囲まれて、数学を勉強する話だった。

    高校数学の延長線なので目新しい話はないのではあるが、「数列の母関数」という概念は初見であった。要するに、数列をxの累乗の係数と見立てて、無限べき級数の関数に変換するのである。たとえば、漸化式があるならば、係数間の関係式を利用して、母関数の係数を逆算することができる。数列の一般項を求めることができるということである。

    21世紀に入ってから、ゆるキャラや秋田米等々、顕著に萌え化が流行しはじめ、おそらく一過性の流行ではなく、今後発展していくことであろう。こうした学問的分野においても萌え化することによって敷居を低くし、大衆を啓蒙できるならば、それは至極望ましいことである。

    結城浩「数学ガール/フェルマーの最終定理」ソフトバンククリエイティブ。
    パラパラとしか読んでいないが、フェルマーの最終定理の証明は、いくつかの「定理」をブラックボックスにして、その定理の適用を考えるという仕組みであった。「萌え」を売りにして数学を教えるということは、麻生太郎の説く日本人のオタク気質(craftmanship)に合致するのかもしれない。高校数学のときは網の目のように関連させることで数学を学んでいったが、この本の教え方はそういった形式である。大学数学は網の目がきわめて細かく全体像における「今の学習」の位置づけがつかみにくい。数学嫌いは全体像が見えないところからはじまるのではないか。その全体像を「萌え」という「釣り」によって一度見通させることを試みることによって、全体像を見つめることが学習の大きな一歩となる。

    身近な例でたとえれば、街を散歩する際にいきなり小道を使うと覚えられない。まずは大通りを使ってグルリとする。大通りがわかってきたら、小道に入ってみれば新たな発見がある。あるいは地図を使って全体図を把握する。年をとると学習効率が落ちるが、結果を急ぐ余り小道に入って出られなくなるからだ。子供はとりあえずグルグル回ってみる。そして、道の使い方に慣れてくるのだ。

    法律を学ぶときには入門書から始めると言うが、コンメンタールから始めるのはおそらくつらいことであろう。世界史を学ぶときにはカタカナに悩まされるが、むしろ全体の流れを覚えたほうが楽であろう。数学も全体の流れがある。

    群、環、体の定義が初見であった。群とは、決められた演算に関して結合法則が成立し、その単位元と逆元が存在する集合である。環とは和の交換法則が成立し、積の結合法則が成立し、分配法則が成立する集合である。体とは、環のなかでも、単位元が存在し、ゼロ以外の元について積の逆元が存在する集合である。図書館に本を返してしまったので確認できないが、こういう定義であったとして間違いないだろう。