2009/05/21

Krugman (1991)

Krugman, Paul (1991) "History Versus Expectations," QJE.
Fukao, Kyoji and Roland Benabou (1993) "History Versus Expectations: A Comment," QJE.
別所俊一郎氏による邦訳

をとって、これをX産業の雇用量とする。完全雇用の残りはC産業となる。C産業の賃金を1としたときのX産業の相対賃金をで表わそう。収穫逓増なモデルを考えると、C産業が完全雇用するかX産業が完全雇用するかという状態に帰結する。これは、不安定な収束点から発散するものの、端点で押さえられている。その点、初期状態が最終的な状態を決定するので、歴史依存と言える。

一方、将来の収益予想を組み込んで、資産

を設定する。この仮定から連立微分方程式を作る。



ここで線形な賃金関数を考えると、


これらを解くと、特性方程式の解として実数解と虚数解が考えられる。実数解のときは単純に発散するので歴史依存的に終着点がはっきりするが、虚数解のときは渦を巻いて発散する。ここでは、期待が重要となるというわけである。

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