2010/02/05

Chaney (2008)

Distorted Gravity: The Intensive and Extensive Margins of International Trade
By Thomas Chaney
American Economic Review 2008, 98:4, 1707–1721

同じ内容のJob-Market Paper (Distorted gravity: Heterogeneous Firms, Market Structure and the Geography of International Trade)
http://sticerd.lse.ac.uk/seminarpapers/special21022005.pdf

Melitz (2003)を踏み台にして、下記引用部のような対立する見解について、実証分析してる。その結果としてFirm Heterogeneityの仮定のもとでは、(1)貿易障壁が小さくなったり輸出の参入障壁が小さくなったりすると輸出量が増える。(2)代替弾力性の小さいセクターほど、貿易障壁が小さくなった時の貿易増加が小さくなる。

企業の生産性の異質性が貿易量に与える影響の実証
http://tetteresearch.net/seminarpaper/2005/11/16.html
貿易を行うときの障壁が低下したときに貿易量がどれだけ増えるかは、各財の需要の代替弾力性に正に依することがKrugmanのモデルによって示されていた。代替弾力性が大きいと貿易コストの低下で輸出入品の価格が下がったときにそれだけ国内品から需要を奪うからである。しかし、その分析は産業内の企業の生産性が同質であることを前提にしていた。この論文は生産性にばらつきがあるケースでは、財の需要の代替弾力性の影響は正反対になることを示している。生産性にばらつきがあるケースでは,一部の高い生産性を持つ企業しか輸出しない。この場合貿易コストが低下したときにはすでに輸出していた企業が輸出量を伸ばす効果だけでなく,新たに外国市場に参入する企業が出てくる効果も出てくる。後者の効果は代替弾力性が小さいほど大きい。新たに参入する企業は輸出企業の中では比較的生産性が低いので代替の弾力性が小さくて市場競争が激しくないときほどより多く輸出することができるからだ。この後者の効果が大きいと,需要の代替弾力性が小さいときこそ,貿易を行うときの障壁が低下したときの貿易量拡大効果は大きいことになる。

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