大野耐一(1978)『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして』ダイヤモンド社。
古きよきトヨタが生産性向上を達成したのがよくわかる。かつてアメ車の向上の生産性は日本の9倍だったらしい。そこでトヨタは人間の能力をフル回転させることにした。待ち時間とか不良製品とか在庫管理とか労使ともに不幸な要素を徹底的に吐き出すのがトヨタ式である。小生が着目するのは、熟練労働をマニュアル化することで、非熟練工にも多能工として働けるようになることである。待ち時間も不良製品も在庫管理もゼロにしてしまえばそれ以上の改善は見込めない。ただ、労働生産性は上げ続けることができるはずである。そのためには生産財の発展のみならず、工員のノウハウ蓄積が不可欠と思われる。マニュアルを作ることによって、ノウハウ伝達のコストが大幅に下がったのではないかと推測している。これによって、過去の先端が現在で常識になるのである。
2009/10/13
2009/10/10
Remember the Titans (2000)
飛行機に乗っている間に映画を見ていたのだが、高校で見せられた映画があったので選んでしまった。
昭和の頃のアメリカ、白人高校と黒人高校が統合されるとともに、フットボールチームも統合することになった。予想される通り、人種間の価値観の違いを乗り越えて州大会優勝といったところである。チームスポーツということもあるが、ユナイトしていない組織というのは力を発揮しない。金卵
みたいに、アメフトは「うりゃー」と言っていればなんとかなるもんだと思ってた。
昭和の頃のアメリカ、白人高校と黒人高校が統合されるとともに、フットボールチームも統合することになった。予想される通り、人種間の価値観の違いを乗り越えて州大会優勝といったところである。チームスポーツということもあるが、ユナイトしていない組織というのは力を発揮しない。金卵
Roubini and Setser (2005)
Nouriel Roubini and Brad Setser (2005) "Will the Bretton Woods 2 Regime Unravel Soon? The Risk of a Hard Landing in 2005-2006," mimeo.
2000年代前半のアメリカは経常赤字を大量に拡大していった。それにもかかわらず、ドル安によって調整されず、アメリカの大きな経常赤字と他国の経常黒字という国際収支の不均衡が大きくなっていった。これには日本や中国による為替介入も大きく関連しており、米国債の大量購入によりドルは買い支えられていた。これによって世界の通貨は固定相場的となったため、新しいブレトンウッズ体制とみなされた。これを新ブレトンウッズ体制あるいはBW2という。この新ブレトンウッズ体制では、国際収支の不均衡という不自然な状態が維持されており、ソフトランディングあるいはハードランディングが不可避と言わざるを得なかった。
2000年代前半のアメリカは経常赤字を大量に拡大していった。それにもかかわらず、ドル安によって調整されず、アメリカの大きな経常赤字と他国の経常黒字という国際収支の不均衡が大きくなっていった。これには日本や中国による為替介入も大きく関連しており、米国債の大量購入によりドルは買い支えられていた。これによって世界の通貨は固定相場的となったため、新しいブレトンウッズ体制とみなされた。これを新ブレトンウッズ体制あるいはBW2という。この新ブレトンウッズ体制では、国際収支の不均衡という不自然な状態が維持されており、ソフトランディングあるいはハードランディングが不可避と言わざるを得なかった。
2009/10/09
Okuribito (2008)
死生観が漂う味わい深い作品である。主人公は色々あって田舎で死化粧を職業とすることになった。で、納棺師は死と接しており、死を人生におけるゲートと認識するだが、被差別な職業だとは思いもしなかった。妻の広末が主人公の本木に対して、明らかなる嫌悪感を丸出しにしていた。映画が描写している世界と自分との認識のズレを感じた。
最初に世界の時間軸があって、そこに偶然ひとりひとりの生の線分が存在している認識が自分にはある。実際の世の中が、死を穢れた存在として扱っているのか、あるいは悲劇の瞬間として扱っているのかよくわからない。経済学には自殺の経済学があるらしいが、どうやらその実証研究を行なっていた女性がいるようである。死生観の哲学的考察についてはショウペンハウエルが行なっていたような気がするものの、古典の邦訳は目が痛くなるので読むのはまっぴらごめんである。
最初に世界の時間軸があって、そこに偶然ひとりひとりの生の線分が存在している認識が自分にはある。実際の世の中が、死を穢れた存在として扱っているのか、あるいは悲劇の瞬間として扱っているのかよくわからない。経済学には自殺の経済学があるらしいが、どうやらその実証研究を行なっていた女性がいるようである。死生観の哲学的考察についてはショウペンハウエルが行なっていたような気がするものの、古典の邦訳は目が痛くなるので読むのはまっぴらごめんである。
Ghosts of Girlfriends Past (2009)
いわば○○○ンの物語であるが、その師匠である叔父さんがあり難い教えを遺している。ターゲットは直接見ずに、鏡を使う。ターゲットに目を付けたら、直接話さずに取り巻きに話しかけてみる。向こうからホイホイついてきたら、首から上を二回褒めてみる。んで、思い切りけなす。そしたら、お手の物らしい。
Yeaple (2005)
Stephen Ross Yeaple (2005) "A simple model of firm heterogeneity, international trade, and wages," JIE.
授業で聞いた話だと、Melitzモデルの拡張だった気がする。ホモ財とヘテロ財に分けて、ヘテロ財をさらに高スキル財と低スキル財に分ける。技術競争のために高スキル財のみ輸出可で、ホモ財は低スキル財産業でも吸収できない低スキル労働者の雇用を吸収する。つまり、スキルの差は企業そのものというよりは労働者のほうにあって、高スキル労働者が集まって高スキル財産業を形成し、低スキル労働者が集まってホモ財産業を形成し、それ以外が低スキル財産業を形成したと考えてよいだろう。そして、企業の生産性は労働者のスキルの関数となっている。この論文では、貿易を通じて高スキル財産業の賃金が上昇するとともに、低スキル産業の賃金が低下することを示し、さらに貿易を通じて生産性が成長すると結論したようである。
まとめスライドも発見した。
授業で聞いた話だと、Melitzモデルの拡張だった気がする。ホモ財とヘテロ財に分けて、ヘテロ財をさらに高スキル財と低スキル財に分ける。技術競争のために高スキル財のみ輸出可で、ホモ財は低スキル財産業でも吸収できない低スキル労働者の雇用を吸収する。つまり、スキルの差は企業そのものというよりは労働者のほうにあって、高スキル労働者が集まって高スキル財産業を形成し、低スキル労働者が集まってホモ財産業を形成し、それ以外が低スキル財産業を形成したと考えてよいだろう。そして、企業の生産性は労働者のスキルの関数となっている。この論文では、貿易を通じて高スキル財産業の賃金が上昇するとともに、低スキル産業の賃金が低下することを示し、さらに貿易を通じて生産性が成長すると結論したようである。
まとめスライドも発見した。
2009/10/06
Blanchard and Weil (2001)
Blanchard, Olivier and Philippe Weil (2001) "Dynamic Eciency, the Riskless Rate, and Debt Ponzi Games under Uncertainty," Advances in Macroeconomics.
基礎的財政収支が均衡しているとしても、債務残高の国内総生産比の推移を簡単には一意に予想できないということである。経済成長率が利子率より高くても比率が危険水準に達することもありうるし、利子率が経済成長率より低くても比率が限りなくゼロに近づくこともありうる。
成長率がランダムだから、債務残高の国内総生産比はグニャグニャに動く。が、分布によってはバイアスがかかった状態で動く。
基礎的財政収支が均衡しているとしても、債務残高の国内総生産比の推移を簡単には一意に予想できないということである。経済成長率が利子率より高くても比率が危険水準に達することもありうるし、利子率が経済成長率より低くても比率が限りなくゼロに近づくこともありうる。
成長率がランダムだから、債務残高の国内総生産比はグニャグニャに動く。が、分布によってはバイアスがかかった状態で動く。
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