死生観が漂う味わい深い作品である。主人公は色々あって田舎で死化粧を職業とすることになった。で、納棺師は死と接しており、死を人生におけるゲートと認識するだが、被差別な職業だとは思いもしなかった。妻の広末が主人公の本木に対して、明らかなる嫌悪感を丸出しにしていた。映画が描写している世界と自分との認識のズレを感じた。
最初に世界の時間軸があって、そこに偶然ひとりひとりの生の線分が存在している認識が自分にはある。実際の世の中が、死を穢れた存在として扱っているのか、あるいは悲劇の瞬間として扱っているのかよくわからない。経済学には自殺の経済学があるらしいが、どうやらその実証研究を行なっていた女性がいるようである。死生観の哲学的考察についてはショウペンハウエルが行なっていたような気がするものの、古典の邦訳は目が痛くなるので読むのはまっぴらごめんである。
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