Ades, Alberto & Di Tella, Rafael, 1997. "National Champions and Corruption: Some Unpleasant Interventionist Arithmetic," Economic Journal, Royal Economic Society, vol. 107(443), pages 1023-42, July.
再びECONOCLASMからQuote.
投資促進を目的とした産業政策は、同時に腐敗を増加させ、腐敗は投資を阻害するから、産業政策の投資水準に与える影響はプラスとは限らない。それをcross-section(国別)データによる実証で確かめようという論文。
まず、腐敗が産業政策にどう影響されるかを調べる。産業政策の指標は、補助金額の対GDP比以外に、政府調達先が海外企業に開かれてる度合や財政措置が各企業に平等である度合を利用する。
腐敗水準が産業政策に影響するという逆のcausalityも考えられるので、(賄賂収入を増やすために規制を増やすetc.)産業政策の度合に相関するが腐敗水準には相関しない指標を探して、二段階最小二乗法を使う必要がある。そこで、隣接国の産業政策の度合の平均や貿易相手国の産業政策度の平均(輸入額シェアでウェイト付け)を利用する。ロジックは、隣接国や貿易相手国が産業政策を推し進めるほど、自国も対抗して産業政策を促進するが、外国の産業政策は自国の腐敗水準に影響しない、というもの。すると産業政策促進は腐敗水準を高めるという結果が出る。
次に、投資水準が産業政策と腐敗水準にどう影響されるかを調べる。予想通り、産業政策はプラスに、腐敗水準はマイナスに働く。(逆のcausalityがここでは考慮されてない。それを考慮して実証したMauro(1995QJE)は腐敗が投資を減らすという結果を出してる。)先に求めた産業政策が腐敗水準に与える影響を考慮すると、産業政策の投資水準に与えるプラスの影響は2割から3割に減少する。
unquote.開発経済学における腐敗研究はレビューがあった。
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