2009/08/05

Bernanke (1983)

経済論戦は甦るより。

Ben S. Bernanke (1983). "Nonmonetary effects of the financial crisis in the propagation of the Great Depression". American Economic Review 73 (3): 257–276.

大恐慌における貸し渋りを実証分析する。大恐慌における事実として、銀行の倒産規模が上昇するとともに、銀行以外の事業の倒産規模、とくに中小企業の倒産規模も上昇し、住宅ローンの債務不履行も急増していた。銀行貸出の規模として、商業銀行貸出残高の純増を個人総所得で割ったものを代理変数とすると、1930年10月までは比較的安定して推移していたものの、銀行の倒産規模が最高となった1930年10月には銀行貸出の規模も30%低下していた。
銀行預金に対する銀行貸出の比率を見ると、1929年には85%以上が銀行貸出に回されていたが、1930年10月から1933年1月にかけて72%から58%と急減した。預金が流動的資産へシフトするという貸し渋りの傾向が見られる。
大恐慌時のリスクプレミアムは拡大しており、1930年から1932年にかけて、BaaとTBの利子率格差は2.5%から8%へと拡大している。

0 件のコメント:

コメントを投稿