2009/08/06

Caballero (2006)

On the Macroeconomics of Asset Shortages
Ricardo J. Caballero
NBER Working Paper No. 12753
December 2006

世界的には金融資産が不足している。家庭、会社、政府、保険会社、金融仲介機関による資産と担保として金融資産がグローバルに必要なのであるが、資産の供給がそれ追いついていない。金融資産の不足に対して資産の価格とバリュエーションの均衡が反応するということが、ここ20年の世界的経済成長で中心的役割を果たしている。いわゆる国際収支の不均衡や、(新興市場、ドットコム企業、不動産、金など)投機バブルの再発的な緊急事態、歴史的に低い実質金利と低い長期金利、世界的なディスインフレ現象や地域的なデフレ現象など、このasset shortageという観点から説明できる。

資本主義は嫌いですか―それでもマネーは世界を動かす』によれば、フレームワークとしては次のようになる。つまり、実物財と金融資産の二財モデルを考える。ワルラスの法則から、供給過多のとき相対価格は下がり、需要過多のとき相対価格が上がる。新興国において投資対象が不足しているために、金融資産の相対価格が上がると同時に、実物財の相対価格が下がると説明できるとのこと。

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