Buera, F. J. and Kaboski, J. P. (2009), The Rise of the Service Economy, NBER WorkingPaper 14822.
原点から正の無限大までにサービスを配置して、パラメータが小さいほど簡単なサービスで大きいほど複雑なサービスとする。サービスは家庭で作り出すか、市場から調達するか選ばれ、工業製品はサービスに付随して消費される。家庭で作り出されるサービスはカスタム化可能なので高い効用が得られる一方、市場のサービスは低いコストで調達できる。
所得が上昇するにしたがって、より複雑なサービスが消費されるようになり、最初の段階では家庭ではなく市場から安く調達される。経済全体の生産性成長にしたがって、コストよりも効用のほうが重要になり、市場から家庭へと消費がシフトする。したがって、サービス財を消費せず→市場サービス財を消費する→家庭サービス財を消費する、というプロダクト・サイクルがみられる。一方で、低スキル労働者の世代が高スキル労働者に置き換わると、機会費用の関係で、家庭サービス財から市場サービス財へと消費行動が変わる。
この論文では、三つの事実をモデル化した。第一に、サービス財の消費が増え、GDPにおけるサービス部門の割合が60%から80%に増えたこと。第二に、低スキルなサービス業が衰退する一方で高スキルなサービス業が25%も増え、スキル集約的なサービス財の量と対価が増えたこと。第三に、大卒の給料と高卒の給料の比が125%から200%に増えたこと。
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