2009/07/14

太田(2005)

太田清(2005)「フリーターの増加と労働所得格差の拡大

日本は長い間、個人間の経済的格差に関し、平等な社会であると言われてきた。1990年代後半頃から、日本でも所得格差は拡大しているとの見方も出てきたが、家計所得や賃金統計などに見られる格差の拡大の多くは、人口の高齢化に伴う見かけ上の拡大にすぎないことが指摘されてきた。しかし、1990年代の特に後半以降に起こった労働市場の変化の中で、最近では、所得格差は拡大しているのではないだろうか。本稿では労働市場の変化をもとらえた統計で、そのことを検証した。

その結果、労働所得の格差は1997年以降拡大しており、特に、非正規雇用者の増加の影響もあって、若年層でその拡大のテンポが速いことがわかった。

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