2009/07/10

Lippman and Rumelt (1982)

Lippman, S.A. and R. P. Rumelt (1982) “Uncertain Imitability: An Analysis of Interfirm Differences in Efficiency under Competition,” Bell Journal of Economics.

収益があっても参入がないことや既存企業の収益性にバラツキがあることは、どうやって説明できるだろうか。Industrial Structure Viewのように不完全競争や参入障壁を理由としてしまうこともできるだろう。しかしながら、「企業の行為とその結果」という因果関係の曖昧性(causal ambiguity)があるならば、参入が自由な完全競争であってもパフォーマンスの違いを説明することが可能となる。

モデルを単純化するために、企業の需要サイドは同一の環境とし、供給サイドでは確率分布関数からの実現値によって費用関数を決定するパラメータを使う。参入企業は事前にパラメータの実現値を知らないものの、分布関数と費用関数は知っている。参入することによる利益の割引現在価値がゼロ以上ならば参入することになる。この仮定は、企業の効率性の違いを説明し、さらに既存企業の利潤がゼロを下回る前に参入が止まることになる。

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