2009/07/22

主要国の中央銀行における金融調節の枠組み

主要国の中央銀行における金融調節の枠組みby白川方明

FRS,BOJ,ECB,BOEが市場金利を政策金利に誘導する手段は主に三種類。
(1)法令または契約に基づく中銀当預の積み立て制度
金融調節を円滑に実施するためには、同時に、中銀当預に対する需要が安定的かつ予測可能であることが不可欠である。中銀当預は民間金融機関の様々な取引にかかる資金決済に利用される。中銀当預の残高について、日々の資金決済需要を安定的に上回る一定の水準に維持するように促す仕組みが設けられていれば、中央銀行による中銀当預に対する需要の予測は容易になり、金融調節を円滑に行うことが可能となる。

(2)公開市場操作
オペは、概念上、長期オペと短期オペに大別されることが多い。長期オペは、主に、銀行券など、中央銀行の安定的な負債に対応するものとして、長期的に資金を供給するための手段であり、国債の買入れがその典型例である。他方、短期オペは、主として一時的な資金過不足に対応するための手段であり、例えば、期間の短いレポ取引(債券等の売戻し条件付き買入れもしくは買戻し条件付き売却)や有担保の資金貸付けなどを通じて実施される。
金融調節において長期オペを用いると、一度に長期間に亘る資金供給を行うことが可能となり、短期金融市場において巨額の短期オペを頻繁に実施する必要性が低下する。この結果、中央銀行のオペにより短期金融市場における金利形成を歪めることを回避できるとともに、オペにかかる中央銀行・民間金融機関双方の実務負担も軽減することができる。他方、長期オペは中央銀行の資産の固定化にもつながるため、その規模が安定的な負債に見合わないものになると、資金過不足の変動に合わせて柔軟に金融調節を実施していくことがより難しくなる惧れがある。

(3)スタンディング・ファシリティ
金利を上と下ではさむというアレ。
貸付ファシリティ:補完貸付制度
預金ファシリティ:当時はBOEとECBのみ。

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