岩瀬大輔(2006)『ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて』日経BP社。
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MBAの花形産業は衰退するという。コンサルティングや投資銀行から、プライベートエクイティを経て、ヘッジファンドがいま人気とのことだ。本書第5章で詳しいが、本書の本質はそこではない気がするので割愛する。
HBSはtransformational experienceを重視し、case methodというstyleで、経営感覚を養う。何よりもHBSで恵まれているのは優秀な同級生と卒業生だ。各国からリーダーを目指す学生が集まってくるし、リーダーとして成功した卒業生が話を披露しに訪れる。カメルーン人のFabriceは、「誰しも、守るべきprinciple・理念を持っているべきだ。リーダーシップの本質は、行き着くところはintegrity、すなわち人格の誠実さ・高潔さだと思う。integrityを失ってしまったら、どうしようもない。白・黒と判断せずに、グレーだと曖昧な判断をすると、グレーの問題は必ず悪い方向に流れる。今、自分の中で明確な軸を持っていないと、これから20年後にでも、何らかの倫理的な問題の直面したときに、必ず誤った方向に流れてしまう。」「僕にとってprincipleは、胸や背中の筋肉のようなものだ。小さなことで少しでも、自分の信念を曲げてしまったら、どんどんその筋肉は弱くなって行く。逆に、自分の信念を守る事で、自分が少しずつ、少しずつ強くなって行く事が出来る。ある日突然、大きな問題に直面して初めて、自分の価値基準が出来上がるものではない。もっと小さな、些細な問題を自分がどう判断するか、その積み重ねで、自分のprincipleが形成されて行くものだ。だから、目の前のちょっとした問題と思えるような事でも、信念を持って行動しなければならないと思う。」と言う。
principleといえば、昔、白洲次郎の「プリンシプルのない日本」を読んだことを思い出す。敗戦処理のような困難な局面でも筋を曲げるべきでないし、私自身も軸がぶれないために自分のprincipleが何か見極めなければならないと思った。
他にも、Career Anchor理論とPlanned Happenstance理論の話が面白かった。
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