2009/06/19

Matsuyama (2002)

Matsuyama, Kiminori (2002) "Explaining Diversity: Symmetry-Breaking in Complementarity Games," AER.

対称性の破れ?
モデル設定
横軸と縦軸で各プレイヤーの戦略を表わす。最適反応関数は各プレイヤーで同一としてプロットする。ここでグニャグニャな最適反応関数を書いておこう。
興味があるのは複数均衡の状態である。複数均衡になるように矢印の向きを工夫しよう。

均衡
45度線にある均衡はsymmetricな均衡、それ以外の均衡はasymmetricな均衡である。また、均衡にも安定と不安定があり、均衡点に矢印が集まる点は安定な均衡、均衡点から矢印が出ていく点は不安定な均衡である。

Matsuyamaモデルではパラメータの値によって均衡の出方が変わってくる。とくに45度線に不安定な均衡しかない場合はasymmetricな均衡しか存在しない。こういう場合にはcoordinationの失敗というわけにはいかない。

含意
多様性の存在は当初、パラメータによって外生的に決めていた。それが複数均衡によってコーディネーションの問題とされるようになった。しかし、それならばパレート最適な状態にプッシュすればいいだけであるが、実際にはそうならない。たとえば対称的でないナッシュ均衡が存在するとき、それ以上のパレート改善ができない。このように勝者と敗者が両方存在するのはどうしてか示すことが重要となる。

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