Klein, Benjamin, Robert G. Craeford and Armen A. Alchian (1978) "Vertical Integration, Appropriable Rents, and the Competitive Contracting Process," Journal of Law and Economics.
Appropriable Quansi Rent(専有可能な準レント)
レントとはいわば既得権益である。準レントとは企業収入からサンクコストを除く生産費用を引いた差。専有可能な準レントとは最適利用者と次善利用者の差。
opportunistic behavior(機会主義的な行動)
ホールドアップやモラルハザードなど契約不履行に至る行為。契約後のこうした機会主義的行動に対抗するにはどうするか。
Contractual Solutions
専有可能な準レントが高いとき垂直統合、準レントが低いとき長期契約が望ましいらしい。専有可能な準レントが高いときは契約不履行を防止することが難しいので長期契約に余計なコストが生じる。いっぽう、垂直統合には準レントとは関係なく統治コストが生じるので、準レントが低いときには長期契約のほうがコストが抑えられる。長期契約は明示的な長期契約と暗黙的な長期契約が存在する。明示的な長期契約とは政府や裁判所などの強制力に頼るものであるが、こうした機会主義的行動の防止には監督コストや訴訟コストがかかる。そこで暗黙的な長期契約が実際にみられるのだが、これは契約不履行を信用の低下と繋がることで市場からの放逐に至る。Coaseがいうような組織と市場の二律背反ではないと強調している。
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