第4回VCASI公開フォーラム 『コーポレーション』の動画が用意できたようだ。
(1)認知科学の成果を取り入れたコーポレーション概念の理論的検討
(2)日本・西欧・イスラーム・中国における社団組織の比較分析
(3) (1)(2)を踏まえたコーポレート・ガバナンスや雇用問題の検討
植田一博准教授の「消費者による価値転換」の話は示唆に富む。最初に事務上のトラブルがあったときに「dual-taskは難しいということが認知科学では知られている」と冗談を挟むが、主題はDemand-side Innovationという概念について。つまり、製品を世の中に出したとき、想定外の使用が生まれることがあり、それによって新しい分野が開拓されるということである。たとえばNTTの携帯電話は軽量化や小型化を追求するコンセプトを最初は持っていた。ところが、博報堂の調査によれば昔は数字しか送信できなかったポケベルがチーマーによって使われ、4649などと語呂合わせで使われていた。そこから文字通信に発展したのがJフォンのショートメールである。あるいは、ホンダが欧州市場に参入するときに、車を家族での買い物に使うライフスタイルを見つけ、車内空間を広くするというコンセプトの「フィット」が生まれた。
そこで、イノベーター理論の各世代とイノベーションの関係を調べた。博報堂の社員などは革新的に飛びつくのでinnovatorに分類されるが、上記の意味でのDemand-side Innovationは起こしていない。むしろ、early adopterやearly majorityから想定外の商品使用が生まれている。どうしてinnovatorからアイデアが出てこないのか。普及がされているほど情報が加工されているという点で、(1)加工されていない情報を得るから(2)得る情報が多すぎるから(3)立場が専門的すぎるからという3点で分析した。どうやら3番目の要素が重要のように思われた。マイケル・ポーターのcompetitionの時代からco-creationの時代である云々。
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