2009/03/09

ドラッカー(2000)

ピーター・F・ドラッカー(2000)『プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか』上田惇生訳、ダイヤモンド社。

マネジメントの知識が発展したことにより知識労働が生産要素となった。そして、分業化・専門化の流れは専門知識とそれに対する集中を要請する。ひとりひとりがエグゼクティブであり、自らに目標と自己規律を課すべきである。リーダーシップとはカリスマ性でも資質でもない。 リーダーは、たとえ間違っているとしても、一貫性がなければならない。 リーダーは、信頼を得て、従う者がいなければならない。 リーダーとは、地位や特権ではなく、責任である。

組織に働く知識労働者は成果を求められる。期待される成果は何なのか、自分が貢献できる人物は誰なのか、自分の貢献がさらに重要になるには何が足りないかなどを自分だけでなく他人もまきこんで仕事の可能性を追求してこそ成果となる。

人と人を繋げるのはコミュニケーションであろう。 コミュニケーションには4つの原理がある。 第一に、受け手に正しく理解させる。受け手の知覚能力の範囲内であるべきであり、 受け手の言葉で説明しなければならない。 第二に、期待されていない情報は無視される。聞き手は話を聞き流してしまう。 第三に、受け手に対し反応を要求するものである。その人の「何かをしたい」という気持ちをくすぐらなければならない。第四に、情報はコミュニケーションを伴って伝えられるが、かといってコミュニケーションが論理的である必要はない。

一方、能力は成果のフロンティアを決定する。 能力の向上無くしてフロンティアは広がらないが、実際の成果をそのフロンティアに近づけるには、自分の能力を成果に結びつけようとする習慣的な努力さえあればよい。 その上で制約となるのは時間である。無駄を徹底的に省くべきであり、それではじめて強みに集中できる。能力的に成果が上がらない分野、不必要なルーティンワーク、過去には価値があったが陳腐化した仕事などを浮かび上がらせることでスリム化し、まとまった時間を確保する。確保した時間を使って直面した課題を解決する。意思決定は意見の対立から始まる。事実から生まれるものではない。問題解決は可能か?解決に最小限必要なことは何か?必要条件を満足させる正答は何か?誰がどのようにすべき、ということを誰に伝えたらよいか?決定の結果が目的に沿っているか?という5つのステップを踏む。意思決定もまた集中して行なわれるべきである。決定を見直しすぎてはいけない。確信がないときは決定を見送るべきである。必要がないときは不作為を決定すべきである。

自分の強みはいままでの成果から逆算することができるし、他人に自分の成功体験を語ることで自分を再発見することができる。また、他人の強みを活かしてあげることは後々の自分の成果になる。情けは人のためならず。

まとめると、
-卓越した強みを徹底的に活かすべし。
-時間の無駄を省くべし。
-自分の使命と規律を明確化すべし。
-自分を他人にとって不可欠な存在にするべし。

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