2009/03/30

藤本(2007)

藤本隆宏(2007)「日本発の経営学は可能か―ものづくり現場の視点からMMRC Discussion Paper No. 148.

アメリカの経営学は圧倒的影響力を持ち、経営学部すら無い東大と比べて米国のビジネススクールはスタッフの数も充実している。ジャーナルには厳しい査定があり、教授へ昇進するために厳密で短い論文を量産するように競っている。そのため、アメリカの経営学はアメリカにおいて強みであるモジュラー型産業が研究対象となっている。

しかし、経営のグローバル化が進んだとき、経営学のローカル化を進めなければならない。日本においてはインテグラル型産業が優位となっているのに、アメリカの経営学において自動車産業が研究されることはまれであった。日本のインテグラル型産業は長期取引・長期雇用の制度下で優位となった。日本の競争力を支えるのは、大学における「固有技術」と企業における「ものづくり技術」であった。固有技術は高度な知的財産となるものの、ものづくり技術によって組み合わせられなければイノベーションとして成り立たない。

困難に直面する日本としては、この「ものづくり技術」「ものづくり経営学」をオールジャパンで支え、世界に発信していくべきである。

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