ハーミニア・イバーラ(2001)「プロフェッショナル組織のメンター養成講座」有賀裕子訳、『コーチングの思考技術』ダイヤモンド社。Ibarra, Herminia (2001) "Making Partner: A Mentor's Guide to the Psychological Journey," HBR, March-April.
若手プロフェッショナルの成長は以下の三段階を繰り返す。
(1)お手本を観察する。
(2)新しい行動スタイルを試す。
(3)この成果を顧みる。
ただし、注意点としては、お手本を真似する際に、お手本を丸々真似するのではなく、自分にあったクセを真似していかなければならない。ゼロかイチでコピーしていくのではなく、イイトコドリをしていくほうが成長しやすいのである。さもなければ、「自分とはあわない」という理由だけで全てゼロを選んでしまう。したがって、「自分とは合わないが、学ぶべき点もある」と肯定的にとらえて諸先輩方の良いトコロを盗んでいくのだ。
その上で、メンター(助言者)は何をすべきか。まずは、メンター自身の内面を伝える必要がある。自分がどのように考え、どのように行動しているか伝えることで、後輩に盗ませることができる。そして、後輩に対して手本となる先輩を複数紹介すべきである。この複数というのも違うタイプの人物が望ましい。上述したように「合わないタイプ」だけで構成されていたとき、成長に貢献しないからである。新しい自分を作り上げさせるためには、環境を変えてあげたり、古い自分を捨てるように諭したりすることも大切である。
こうして組織をあげて若手を教育すべきであるし、メンター自体の向上もやっていくべきとのこと。なかなか示唆に富む論文であった。
http://www.geocities.jp/nymuse1984/coaching.html
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