2009/02/10

三輪(1997)

三輪芳朗(1997)『規制緩和は悪夢ですか』東洋経済新報社。

三輪教授の産業組織を聴講しましたが、独特の主張に驚かされました。「メインバンク制」も「政策金融」も「産業政策」も「系列」もすべて神話である云々。「話はこういう話です。」「おちょくって書いてやりました。」「私は新聞から嫌われています。」「この話は本当か。」「私の本は絶版になりましたけれども。」という言葉が好きなようです。三輪(1997)のコピーはレジュメとともにバラまかれたものですが、「5つの誤解(コンセンサス)」に「5つの事実(三輪氏の主張)」をぶつけています。

5つの誤解
1)日本経済は大企業によって支配されている。
2)少数の企業集団とメインバンク制云々。
3)産業政策は経済成長に貢献した。
4)取引関係は長期的かつ排他的。新規参入は難しい。外国企業にとってはとくに難しい。
5)株式持ち合いが安定的株主が確保されていたが、バブル崩壊で持ち合い解消し、欧米化云々。

5つの事実
1)日本経済は中小企業によって支配されている。
2)企業集団は少数でない。結合は強固でない。メインバンク制は過大評価。
3)産業政策の貢献はほぼゼロ。
4)長期的取引関係は事実。ただし、排他的ではない。外国企業の成功を妨げていない。
5)取締役が支配。株式持ち合いではなく、組織の形成メカニズムの問題。

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