2009/02/05

Barro (1974)

Barro, Robert J. (1974) "Are Government Bonds Net Wealth?," Journal of Political Economy, Vol. 82, No. 6 (Nov. - Dec., 1974), pp. 1095-1117.

Barro論文の特徴は
  • 2期間生存の世代重複モデル。
  • 効用関数は「次世代の最大効用」「若年期の消費」「老年期の消費」で構成。
  • 国債は若年期に購入。
  • 国債は老年期に償却。
  • 賃金から利払い分を徴税。
  • 資産は若年期に購入。
  • 老年期に償還。(老年期唯一の収入)
  • 老年期に次世代への遺産を確保。
  • 生産水準は所与かつ一定。
  • 若年期の賃金と資産の利払いに分配。
よく理解できないのは、同じrを保有資産と遺産に関しては割引率として、国債に関しては利子率として用いていることである。保有資産は価格(1-r)で購入し、償還時に価格1で戻ってくる。利子はつかない。それに対して、国債はコンソル債であり、毎期rが徴税される。

導き出されること。
  • 効用最大化条件として純遺産は一定。
  • 純遺産一定より、国債発行によって粗遺産が変動。
また、Barro (1989)によれば
  • 世代重複モデルは、無限期間生存の代表的個人の生涯効用で代替可能。
  • 純遺産は世代間の所得移転にすぎず、教育など金銭以外でも、またプラスでもマイナスでもよい。
  • 償還がどの世代であっても同じ結果となる。


邦訳
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/ito/pdf01/barro.pdf

Barro, Robert J. (1989) "The Ricardian Approach to Budget Deficits," NBER Working Paper No. W2685.

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