井堀利宏(2008)『「歳出の無駄」の研究』日本経済新聞出版社。
2008年度予算ベースにおける特別会計の歳出総額約368兆円のうち約190兆円が会計間の移転支出であり、重複計上を控除した純計額は約178兆円であるという。そのうち、国債償還費・利払い費の約88.6兆円、社会保障給付費の約52.0兆円、地方交付税交付金等の約16.7兆円を義務的経費だとみなせば、残りは約21兆円にしかすぎない。
無駄にも色々あるし、埋蔵金としては期待できる額ではない。増税の先送りで得をするのは将来の増税に備える必要のない中高年、あるいは現状維持を望む利益団体である。現状の脱却方法としては、選挙制度の改変(年齢層別選挙など)や財政規律の確立が挙げられる。財政規律としては、総額を抑制するとともに、予算の分配を見直し、受益者負担の原則と事業評価の徹底を関連させることである。
本の中身は財務省主計局とほぼ同意見(・・・というか同じ図表を使い回している)。伊藤元重先生とともに増税を叫ぶ。
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