グローバリゼーションと貧困を軸にして国際経済学・開発経済学を展望する。
ひとつの軸は、貿易の国際化と金融の国際化。
もうひとつの軸は、平均所得の伸び悩みと格差の拡大。
- 貿易、成長・・・タイプA、貿易と経済成長
- 金融、成長・・・タイプB、投資と経済成長
- 貿易、格差・・・タイプC、貿易と貧困
- 金融、格差・・・タイプD、通貨危機
タイプA
貿易の開放度と経済成長の関係を回帰分析する。
⇒たいていの結論は「正の相関」
内生的経済成長論
⇒技術進歩の内生化
手法は「人的資本」あるいは「ミクロ的基礎付け」
政府の役割
- 市場機能補完型戦略
- 比較制度分析
- 可変的な幼稚産業保護
- 研究や教育による人的資本の蓄積
タイプB
証券投資と成長は負の相関、直接投資と成長は正の相関という傾向。
⇒空間経済学による理論付け。
遠心力
⇒混雑効果、地価上昇、地理的に分散した形で分布している自然資源やインフラストラクチャーの整備などによる低い輸送費用など
求心力
⇒市場の規模が大きいこと、高い輸送費用の存在、厚い労働市場や中間財生産企業群の存在、「マーシャル的(技術的)外部性」と呼ばれる知識や情報などの波及を通じた外部性
中心の決定
⇒歴史による選択、期待による選択
タイプA、タイプB⇒ボーモルの三角形
タイプC
経済の開放度と貧困削減の速度には正の相関関係。
必需品たる農作物は、嗜好品たる工業品よりも優先的に消費される。
⇒貧困層は工業品を消費できない。
途上国において
工業生産性の上昇
⇒工業輸出の増加
⇒労働力が農業から工業へと移動。
⇒農業における限界生産性の上昇。
⇒貧困労働者の均衡賃金上昇。
全体的な賃金上昇は労働移動の自由度が鍵。
タイプD
動学的な分析
⇒慢性的貧困と一時的貧困の区別
一時的貧困に対しては事前・事後のリスク対処戦略がとられる。
- 消費の節約
- 借金
- 貯蓄の切り崩し
- 出稼ぎや副業など家族内の互助
通貨危機
⇒動学的なショックは大きくなかった。
⇒家計が直面する借入制約は大きくなった。
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